藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

流血の日曜日


リーマン・ブラザーズが支援先が見つからず、破綻したという。
他方バンカメはメリルリンチを5.3兆円で買収。
証券業界第四位は破たんし、三位は救われたか。
今年の春には業界5位のベア・スターンズJPモルガンに救済されたが。


なんと保険トップのAIGが4.2兆円の特融をFRBに申し入れたと。
今回は政府は公的資金の投入を頑なに拒んだという


沈む船、という形容は不吉だが、もはや「シティがヤバくてバンカメは大丈夫」などと簡単にはくくれる気がしない。
いよいよ「バーチャル経済」の清算が始まっているのではないか。


まあきちんと「リアル経済」の仕事をしていれば、まともに「爆風」を受けることはないのだと思うが。
それにしても「流血の日曜日」とは彼の世界の人たちはネーミングが上手く、しかも大変な時にもどこかコミカルである。


画集。まっ白。


絵というものは、その描かれた時代、作者の人生や生活環境。
そしてその絵の「テーマ」、そんなものがないと、何も知らぬ感性だけでは観賞できない、と気づいたのは最近のこと。


その点、ジミーちゃんはまだ生きているし、またその絵には動機となるメッセージが添えられていて、とても見やすい。
『欲望』と題された老若とも男女ともつかぬ目が三つ配された作品。
中央に扇情的に開き、真っ赤な唇が目を引く。
副題は「今日だけ、 良いか〜?」


『野心』という作品には左半面に獰猛な熊、中央には大きく屈み、手足を晒した女性が描かれる。
副題は「燃えてくる はんだん」


画集とて、勝手に引用しにくいが、どの作品も「主人公」が非常にはっきりしていると感じた。
『未来の夢』と題され「空想で予言します」と副題のある作品は、中央にキリン、右にマントヒヒ、左に象とトラ。
これはこれら全部が「主人公なのだ」と分かる。


アンディーウォーホルのようでいて、でもものすごくインドの香りのするような、不思議な画集。


巨大なLNGタンカーの四つのタンクに描かれた「カメ、海老、カニ、鳥」は極彩色でできたエジプト壁画のようだった。