藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

殴り込み

ただ、ある国内大手生保は「手数料が高くても、サービスの質の高さなど、納得してもらえる理由がある」と訴え、原価だけで単純比較されることを牽制(けんせい)する。

 「洋服と同じで、高級品が欲しい人もいれば、最低限の機能と安さを追求する人もいる」とし、自社のサービスを高級品に例え、対面でのコンサルティングやコールセンターなど、人的サービスが省略されるネット生保との違いを強調する。

守旧派にこう言わせれば、しめたものだ。

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

ハーバードMBA留学記 資本主義の士官学校にて

もともとこのブログ出版で知ったのだが。
ハーバードの中でも飛びぬけたな成績(ベーカースカラー)の著者が、企業の準備をし、投資家がおり、予定通りに「ライフネット生命保険」として事業がスタート。
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/081216/biz0812161638011-n1.htm

しかしさすがというか。
どうやら順調のようだ。


事業を企画し、始め、そして必ず、普通は「予想以外」の場面に遭遇する。
というか、そうなってしまうのが「当たり前」というのが自分などの実感だ。


「生保」という堅い分野(典型的なオールドエスタブリッシュメントだ)で、しかも誰もがねらっているに違いない「ネット販売」。


そんなところで堂々勝負を宣言し、切り込んでゆくあたりは見ていて爽快感ばかり。
ブログを見る限りシレッとしているが、並大抵の手腕でない。


既存勢力は努力すべし


生命保険は、昨今の不払い問題もあり、また商品のリスク説明や契約行為の複雑さからネット販売はムリ、と言われてきた。


さらに、むろん、「原価が見えにくい」という部分に敢えて積極的な策を講じず、今日に至る。
まあ胡坐をかいて消費者をナメていたわけだ。


その様子は広告料の根拠が分からない、テレビのスポンサー制度を見るようだ。
インターネットで「クリック率」主導の広告が主流になり、「虚飾の価格」は急落している。

しかし、業界内には値下げ合戦を避けたい思惑もあり、開示に追随する動きは起こらないとの見方が強い。

このような業界の態度は、滅ぶマンモスそのものだ。
優秀な若手の猛攻をどう受けるか。


大手はその一点に全力を投じねば、アリの一穴が地盤を崩すだろう。

インターネット専業の生命保険会社として今春開業したライフネット生命保険が、保険商品の原価の全面開示に踏み切った。


生命保険のコストは、保険金の支払いに充てられる部分と、保険会社の運営費や利益になる部分があるが、これまで内訳が明らかにされたケースはなかった。


ライフネットは、人件費や手数料を抑えた価格優位性をアピールし、顧客獲得に結びつける戦略だが、大手を含めた生保各社は「質に見合った価格設定」と反発している。


 ライフネット生命は11月21日、中間決算発表に合わせて全商品の原価を、ウェブサイトなどで公開した。
それ以来、サイトの閲覧数は増え続け、8日には1日当たりのアクセスが開業以来最高の24万件に達した。


 保険料の内訳を大別すると、保険金の支払いに充てられる「純保険料」と、運営費や利益になる「付加保険料」(手数料)に分けられる。


このうち、純保険料は、年齢・性別や金利水準などから計算され、生保各社でほぼ同額になるが、付加保険料は、販売形態やサービス内容、商品特性、利益率、保険会社の事業効率などによって金額に差が出てくる。


 ライフネット生命は、販売網をネットに限定したため、営業担当職員の人件費や販売店への手数料がかからない仕組みだ。その分、付加保険料は大幅に安い。


例えば、40歳の男性が10年定期で保障が1000万円の死亡保険に加入する場合、毎月の保険料は2580円。
このうち、純保険料は1923円を占め、付加保険料は約25%の657円にとどまる。


 一方、ある大手生保の場合、同じ条件で試算すると、毎月の保険料は約5500円になる。
純保険料がほぼ同額とすれば、付加保険料は3600円程度とみられ、ライフネット生命の5倍になる計算だ。


ライフネット生命は、自動車や家電と違い、手にとって見ることができない生命保険は比較できる情報が少なく、適正な価格競争が起きていないと指摘し、「原価の開示によって、生命保険を選ぶ際の判断材料が多くなればいい」と話す。


 ただ、ある国内大手生保は「手数料が高くても、サービスの質の高さなど、納得してもらえる理由がある」と訴え、原価だけで単純比較されることを牽制(けんせい)する。

 「洋服と同じで、高級品が欲しい人もいれば、最低限の機能と安さを追求する人もいる」とし、自社のサービスを高級品に例え、対面でのコンサルティングやコールセンターなど、人的サービスが省略されるネット生保との違いを強調する。


 原価の開示が広がれば、保険料の価格競争が活性化する可能性がある。


しかし、業界内には値下げ合戦を避けたい思惑もあり、開示に追随する動きは起こらないとの見方が強い。(滝川麻衣子)