藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

著作権、のエゴ。

は*[次の世代に]言語の価値の先。


ディズニーのミッキーマウス保護よろしく。
未だ著作権の保護期間は、作者の没後何十年にするか、ということで揉めている。


50年が70年でも、問題の先送りにしか見えないが、問題は人類のあやつる「言語」とその発展型である著作のことである。
シェークスピアよろしく。
芥川龍之介よろしく。


過去の優れた作家が、その着想の原型をさらに古の挿話に求めた、という話は枚挙にいとまがない。
ものすごく情熱的な恋愛ロマンを創作したとしても、それが渡辺淳一失楽園に似た展開なら、それは盗作になる可能性がある。


まあ結局、著作というものについては、独創性というか創作性が強く、あまり「私の発想だ」とか「ワタシでしか思いつかないストーリー」というのは、数式でもなく明らかにしにくい。
人のあやつる言葉、というのはそれほど変幻自在で、また白黒がつけにくいものなのだろう。
これが、その他の生き物とか、霊長類とも違う最大の特性だろう。


なので、先進国を中心にする著作権保護、については特許と違い些かの違和感がある。
シェイクスピアも、ロミオとジュリエットも、取り締まられる対象だろうか。



そして自分たちが書いた文章も、その出典のみ明らかにされれば、いくらでも引用可能、というのはそれほどおかしいことだろうか。



黒澤映画とて。
吉川英治とて。
その後数十年経ち、原作者の価値は上がりこそすれ、毀損することはない。


優れた原作は、いずれまた優れた「二次著作」を生む、というのは我われが実体験していることでもある。


言語を操り、あらゆる思想や、創作を後世に遺す。
これは生物の中で、人類だけが、唯一持ち得た叡智であると思う。


ぜひとも、著作権利用の寛大な法制化を望む。
ローカルな価値のルールで、ゆめゆめ人類のプロパティを腐られることがありませんように。



著作権70年に延長ならどうなる 吉川英治柳田国男ら対象に
 著作者の死後50年までとなっている音楽や出版などの著作権の保護期間について、川端達夫文部科学相は20日の閣議後会見で、「ある種の世界標準である70年を念頭に、その方向に進めるべきだという意識は持っている。それを目指して諸課題に取り組みたい」と述べ、延長のための著作権法改正に意欲を示した。

 著作権の延長に関しては、鳩山由紀夫首相も18日に開かれた日本音楽著作権協会のパーティーで「70年に延ばすことに最大限の努力をすることをお約束したい」と発言している。

 著作権は小説・脚本などの言語、音楽、舞踊、絵画や漫画、映画などに発生する。このうち映画の著作権は平成15年に「公表後50年」から「公表後70年」に延長されている。

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 出版物や音楽などの著作権の延長は、権利者の保護を充実させることになる一方で、過去の作品を人々が手軽に利用する機会を制限しかねないという問題をはらんでいる。著作権の保護期間が「著作者の死後50年」から「70年」に延長されるとどうなるのか。

 「インターネット上で広がり始めた文化を共有する気運がしぼんでしまう」

 著作権が切れた文学作品などをデジタル化し、ネット上で無料公開している電子図書館サイト「青空文庫」の中心メンバーでライター、富田倫生さん(57)はこう訴える。

 青空文庫は平成9年に開設。著作権切れ作品を延べ約680人のボランティアが電子化し、夏目漱石芥川龍之介太宰治ら649作家の計8534作品を無料で公開。1日平均約1万4千件のアクセスがある。

 富田さんは「世界で書籍電子化が進む中、潮流に反するように延長が政治主導で出てきたことに憤りを感じる」と話す。

 著作権の保護期間は欧米など先進国では70年が大勢を占めるが、著作権の国際条約である「ベルヌ条約」の加盟163カ国のうち「70年以上」は70カ国で、4割強にとどまっている。