藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

起業は億劫?


起業家志向が低調だとういう。
しかも十代が最も低いとの、一万人のアンケートより。


だがこれだけでは、喜ぶべきか、嘆くべきかは一概には言えない。

、「有名な大学や学校に通った方が、将来は有利になると思う」との質問に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人は過去最高の56%。
学歴志向も強まっている。

有名な大学と将来の優位、という何か「位置エネルギー的な観念」が気にかかる。
早くも学歴で「その後の何か」を慣性で得ようとしているような感じ。
そう。


逃げ切り型「ヘタレ」マインドである。

ある程度のところで競争しておき、その「貯え」でその後の余生を恙(つつが)なく過ごしてやろう、という保守的な考え方。


「研究者の仕事術」の著者、島岡要氏のネーミングだが、さもありなん。
海千山千、荒波に漕ぎ出すような、波瀾万丈の冒険をするよりも。
精神的に、もうあまり戦闘的ではない、という感覚が見てとれる。

「最近の高校生は就職を意識して進学先を選ぶ『実利志向』が強い。

ますます日本人の「闘争マインド」は冷え込んでいるようだ。
でも一概に悪い、とも言えないのが今の時代だろうか。


でも、これから進学する学び舎を「将来の職業に有利かどうか」という基準で判断するのは
昔の士官学校とか、科挙制みたいでちょっと抵抗を感じる。

もう少し自由闊達、というか「いろんな方面への意欲」があってもよいと思うのだが。


十代から見て、今の世の中の「職業そのもの」がちょっとくすんで、色褪せて見えてしまっているような気がした。
「実利」って、そんな功利的な価値観だけで職業なんて決まるものではないのに、と思う。


敢えて言うなら、もっと「生活的なもの」だろうか。


まあでも、今の現役ワーカーの我われが「そんな魅力」を身を持って示さないと、こればかりは伝わらないのだろうと思う。
ということは今の自分たちが「あまり魅力的な職業人」とは見られていないということだろう、との結論に。
結局は我がふるまい、ということのようである。


asahi.comより>

起業家志向が低下、10代は27% 野村総研1万人調査


会社を立ち上げて経営者になる起業家志向が低下していることが、野村総合研究所の調査でわかった。
世代別では10代の起業家志向が最も低かった。
仕事をしている人の約6割が「転職は考えていない」と答えるなど、景気低迷のなか安定志向が強まっている。


 調査は価値観や消費スタイルの変化などを探るために15〜69歳の約1万人を対象にアンケートを行い、昨年末にまとめた。
1997年から3年ごとに実施し、5回目。

 「一流企業に勤めるよりも、自分で事業をおこしたいか」との質問に対し、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人は計35%にとどまり、97年の49%から14ポイント低下。
調査開始以降、低下が続く。
2009年を世代別でみると、30代の起業家志向が39%で最も高く、10代が27%で最も低かった。


 一方、安定志向は強まっており、前回調査と比べ3ポイント増の59%が「転職は考えていない」と答えた。また、「有名な大学や学校に通った方が、将来は有利になると思う」との質問に「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と答えた人は過去最高の56%。学歴志向も強まっている。

 景気低迷などを受け、ベンチャー企業を取り巻く環境は厳しい。
09年の新興企業向け市場、東証マザーズの新規上場数は4社にとどまった。
ピークの04年の57社と比べると、大幅に落ちこんだ。


 調査した野村総研の日戸(にっと)浩之・上席コンサルタントは「最近の高校生は就職を意識して進学先を選ぶ『実利志向』が強い。
若い世代は終身雇用制の崩壊を現実として厳しく受け止めているが、企業社会を一時的な生活のよりどころとして考える傾向が強まっている」と分析する。(古屋聡一)