藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

死刑論の前に。


中国内で、麻薬密輸で検挙された日本人の死刑が執行されるという。
「国交正常化以来初めて」などとメディアは騒ぐけれど。

8日にも、ほかの3人に対する死刑執行の可能性があり、執行が相次げば、日中関係への微妙な影響も懸念される。

何で中国での犯罪の取り締まりが国際関係に影響するのか。
気持ちは分かるが、根拠はいまいち分からない。
外国が、自国のルールで統治することに、「どのような根拠で反論するのか」という点についてマスコミにはもっと突っ込んだ報道をお願いしたい。


日本では、麻薬密輸は死刑に値しないから、中国でも止めてくれないか、というような主旨なのか。
それとも、「いかなる重罪でも日本人が外国で死刑になる」のは止めて欲しい、という国民感情なのか。


「お互いの国の中での犯罪と量刑のレベルを揃えましょうよ」ということなら、話はとても分かりやすいが、法律というのはお国が違えばずい分違う。
なかなか統一するのは難しかろうとおもうけれど、そういう「世界統一法」のようなものの模索は、これからの国際社会では重要なのではないか。


いつの日か、イスラム圏も、EUも中国も日本もアメリカも「ほぼ一つの法律」で統治されるような日が来ないだろうか。
国同士の外交の協調とかいうのも、結局「法律の統一」に収れんされるテーマのような気がする。


民族とか、時代背景が違うから、という理由で永遠に反目し合っていては、それこそ永遠に「国の壁」はなくならない。
インターネットは「HTML」を共通言語に、完全に世界を席巻した。


米国、いや国連は「共通法」を切り口に世界平和を目指してみてはどうだろうか。

無理を承知でチャレンジしなければ、イノベーションは生まれない。


もはやそんな時代ではないだろうか。


共同通信より>

赤野死刑囚、中国が5日にも執行か 国交正常化後初めて
【大連共同】中国当局は5日にも、麻薬密輸罪で死刑判決が確定している日本人の赤野光信死刑囚(65)=大阪府出身=に対し、遼寧省大連で刑を執行する見通しだ。
中国側は同死刑囚を含む4人の日本人について日本政府に死刑執行を通告しており、執行されれば、1972年の日中国交正常化以降初めてとなる。


 日本政府は中国側が3月29日に赤野死刑囚の刑執行を通告してきたことを受け、中国外務省に「懸念」を表明。
今月3日にも訪中した菅直人副総理兼財務相温家宝首相に対し懸念を表明した。しかし、温首相は「中国の法律に基づくことで重大な犯罪だ」と述べており、執行決定の撤回は困難な状況だ。

8日にも、ほかの3人に対する死刑執行の可能性があり、執行が相次げば、日中関係への微妙な影響も懸念される。

中国は昨年12月末、英国政府や人権団体の猛反発を押し切り、麻薬密輸罪で英国人死刑囚の刑を執行。
国内で急増する麻薬犯罪抑止のため、外国人を特別扱いすることなく厳格に法を適用する姿勢を示した。


 犯罪者の処罰は基本的に当事国の内政問題に属する上、中国と同様に日本も死刑存続国であることから、日本政府は今回「刑の執行停止」までは求めていない。
日中外交筋によると、死刑執行に必要な最高人民法院最高裁)の承認は既に出ているという。〔共同〕