藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当のこと。


経産省クラウドコンピューティングを通じて40兆円市場が出来る、と発表した。
CO2も削減するという。
確かにクラウドで合理化する、ということは直接CO2排出には効果があるだろうことは直感できる。
が。




クラウド化」自身ははたして雇用を増大させるだろうか。

クラウドが進めば進むほど、手元に置いておく資源は節約できる。

またクラウドがさらに進み、複数のログイン情報とか、個人認証とか、行政サービスとかが合理化されれば、ユーザーは非常な恩恵を受ける。
けれど、今「人的」なサービスをしている人たちは合理化される。


確かに「クラウド」で使用できるためのいろんなインフラのシステムを作るのには人手が必要である。
しかもかなりのエンジニアの雇用は生まれるだろう。
有体に言えば、大規模な銀行のシステム構築に似ている。
数千人月、を要する大規模なアプリケーションが幾つも発生するだろう。

だが、その先にあるのは「さらなる合理化された世界」でしかない。
特に現在の縦割りの「行政サービス」などでは人員の合理化の効果は絶大だろうことは疑いない。

施策としては「クラウド自身」ではなく、「クラウド後」にもたらされるであろう、「次世代の新しいサービスによって雇用が生まれる」のだ、という文脈にしないと説得性に欠けるのではと思う。
これまでの「人ありき」だったサービスがクラウドによって一旦、非常にスリムになる。
そしてその先に「これまでになかった人によるサービスが生まれる」ということを考えないと、クラウドとかICTが雇用を生む、というスローガン自身が説得性を欠くだろう。


そろそろクラウドの先について、IT企業が本気のサービスを考える時期に差し掛かってきているのかもしれない。
次のITって何だろうか。

クラウド」で40兆円市場創出 経産省試算 20年まで CO2排出も削減
 経済産業省は16日、「クラウドコンピューティングと日本の競争力に関する研究会」の報告書を公表した。
クラウドに関する制度や基盤を整備することで、2020年までに累計40兆円のサービス市場を創出できると試算。
情報処理に関する二酸化炭素(CO2)の排出を1990年比約7%減らすことができると分析した。


クラウドコンピューティングは、自らは(情報技術)機器を所有せずに、ネットワークを通じて顧客管理や会計処理システムを提供する仕組みのこと。
経産省クラウドを活用すれば医療や教育、電力といった様々な場面で利用者が恩恵を受けられると判断。
報告書はそのためにもプライバシーに配慮したデータの利用法や国際ルールといった制度整備や、環境負荷が低いシステム整備、人材育成が必要と提言した。


創出する40兆円の内訳は医療・健康・介護サービスで15兆円、住宅・家電と家事支援サービスで10兆円、高度道路交通システムと社会資本維持管理で5兆円など。