藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

草食の時代。

性交渉に対して「関心がない」、「嫌悪している」と回答した人を合わせると、男性では17・7%(08年調査10・4%)、女性では48・4%(同37・0%)を占めた。
特に女性ではほぼ全年齢層で前回調査より10ポイント以上増加。

女性は即物的に性行為を求めない、とは言われているが、それにしてもほぼ半数が「関心がないor嫌悪」とは驚きである。
男なんて「それ」しか考えていなかった、というのが自分の若いころの感覚だけれど、二割近くが「関心がない」とはまさに草食類のじだいなのだろうか。


結局「繁殖」ということそのものが、もう「絶対のテーマ」ではなくなったのだろう、もう「ともかく繁殖」というセイウチのようなテーマは、遂に人類の一番の問題では無くなってしまったのかもしれない。
調査の指摘するように「人間関係が希薄化」しているのかどうかはともかく、 人間が「種の存続」だけを考えて、厳しい自然の中で子孫を残してきた、という時代はこの二十一世紀でついに終わるのかもしれない。


これまでのおよそ二千年の「最大のテーマ」が、もし風化しようとしているのなら、これまた有史以来の「次の目標」を自分たちはここしばらくで編み出せるのだろうか。
徹底的に「自らの種」の保存が目的だった人間だが、ついに「それ以外の環境」に主眼を移せる機会なのかもしれない。


そういう意味では、侵略と征服ばかりで綴られてきた二十世紀が、ついに「次のテーマ」を見出せるとしたなら、それこそが人類の叡智にほかならないのかも、と思う。
ぜひそんな進化の過程を体感して見たいと思うのである。

「セックス嫌い・無関心」急増、男性でも17%
男女とも草食化が進んでいる?――性交渉に対して嫌悪感を抱いたり、関心がなかったりする日本人が急増していることが12日、厚生労働省研究班(主任研究者=竹田省・順天堂大医学部教授)の調査でわかった。


 調査は2010年9月、16〜49歳の男女3000人を対象に手渡しによるアンケート形式で実施し、1540人が回答した。

 性交渉に対して「関心がない」、「嫌悪している」と回答した人を合わせると、男性では17・7%(08年調査10・4%)、女性では48・4%(同37・0%)を占めた。特に女性ではほぼ全年齢層で前回調査より10ポイント以上増加。男性でも16〜19歳、20〜24歳などで18・6ポイント、9・7ポイントそれぞれ増加した。

 一方、1か月以上性交渉しない「セックスレス」の夫婦は2年前の前回調査より4・3ポイント増加して40・8%となり、04年の調査以来初めて4割を超えた。理由は「出産後何となく」や「面倒くさい」、「仕事疲れ」が多く、これまでと同様の傾向を示した。

 調査した日本家族計画協会の北村邦夫常務理事は「セックスレスの理由に『面倒くさい』とあるように、人とのかかわりが厄介だと感じる人が増え、人間関係が希薄になっているのでは」と話している。

(2011年1月12日20時19分 読売新聞)