藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

人次第。


「酒、タバコ、ポルノ雑誌」は非行の定番。
コンビニ、マンガ喫茶の深夜営業、も分からぬでもない。
そしてネットは

「簡単に見知らぬ者と出会える」(63・4%)、
「簡単に暴力や性、自殺に関する情報を手に入れられる」(47・3%)ことだった。

という。
本当にそうだろうか。
いや、そういう「悪意の便利さ」もあるのだろう、とは思う。
つまりは「そういう便利さ」を持つネットの「影の部分」を見て、いたずらに規制を志向しないでもらいたいのである。
若者・少年は好奇心が旺盛である。
しかも思春期。
社会への違和感も高まるし、性欲も高揚する。
ネットであれこれと試したいのも無理はない。
今の時代に「そこ」だけを規制しようとしても不自然だと自分は思う。

リテラシーの問題。


携帯電話が普及し始めたころ、「携帯電話がマナーを滅ぼす(待ち合わせ場所などを曖昧に決めるから)」とか「携帯電話が不倫の温床に」という論説を唱えるエラい先生がいたが、同じ議論である。

便利なツールを「上品に使いこなす」のは使う人のリテラシーの問題である。

この便利な道具を使うと、若者にアダルトサイトが解放されてしまう、「だから規制しよう」というのではあまりに広がりがない。


『ネットは便利だが、性風俗や犯罪を集うような「反社会的」な情報も含んでいる。それがネットのオープン性というものだ。ネットに繋がる一員としてそうした「黒い部分」と出会っても、その穴に嵌ることなく参加せねばならないのだ。』


というネットで「ジェントルでいること」を当然の矜持として、そういう「価値観」を若者に持ってもらうことが最も重要だと思っている。
いくら、どんな規制をしようとも、若者は大人の真似をしたがるものである。
大人は、どこか自分の「大人の行為」を子供に対しては後ろめたく思い、若者との間に垣根を作ろうとする。
ともすればそれが権力も金も持つ「支配側」から「被支配側」を一方的に規制するような構図になってしまうが、「規制される側」は恐らく全く納得していないと思う。
自分が規制される側だったころも、間違いなくそう思っていた。
「そんな規制なんか掻い潜ってやる」とかならず反対の思いが湧きあがるのである。


ネットは自由に。
だがどんな情報にアクセスし、また邪悪なサイトに出会っても誘惑されない勇気を持つものこそが、実は真の参加者の資格を持つのだと思う。
大人の目線は、それだけでステレオタイプなことが実に多いものである。


非行要因「ネット・携帯で出会い簡単」6割超す
少年が非行に走る社会的要因について、「携帯電話やインターネットの普及で、簡単に見知らぬ者に出会える環境」を挙げる人が6割を超えて最も多いことが、内閣府が29日に発表した「少年非行に関する世論調査」でわかった。


少年非行に関する社会環境で何が問題点かを複数回答で尋ねたところ、1位と2位はいずれも携帯電話やインターネットの普及に伴うもので、それぞれ「簡単に見知らぬ者と出会える」(63・4%)、「簡単に暴力や性、自殺に関する情報を手に入れられる」(47・3%)ことだった。


過去の調査で同じ趣旨の設問でトップだったのは、2005年が「コンビニ、マンガ喫茶などの深夜営業」(50・6%)、1983年では「酒、タバコ、ポルノ雑誌などの自動販売機が多い」(45・6%)で、各時代の世相を反映している様子がうかがえる。また、今回の調査では、少年非行防止に特に大きな役割を果たすのは、「家庭」(76・4%)と答えた人が最も多かった。調査は昨年11〜12月、全国の成人3000人を対象に行われ、1886人から回答を得た。

(2011年1月30日 読売新聞)