藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

次世代スタイルへの進化を


この度震災の被災された人たちを報道で見ていて、一番驚いたことは「高齢者の多さ」だった。
避難所におられる人を一瞥するだけで、圧倒的に高齢社会である。
特に被害の甚大な海沿いに住む人たちの復興はどうなるのだろうか。
聞けば、「堤防を作るか、高台に住むか」で海沿いに住みたいし、高台には土地が少ない、という理由で堤防建設に至ったという。


選択肢としては、「さらなる高い堤防」を作って引き続き沿岸部に住む。というのもあるだろう。
そこで気になるのは「超高齢化」の問題である。
今回の被災にしても、その後の医療的なケアの滞り、医療物資の不足は尋常ではない。
アレルギー対策や糖尿病用の食料、点滴や流動食、そして薬品と「恐ろしいく医療依存度の高い生活」を我われは送っているということを再認識した。


現代の医療レベルが「素晴らしく高く、また普及している」というのは有り難いことだが、一旦「供給」が止まると恐ろしい事態になることが感じられた。

これからの街設計。


被災地の復興を、一旦「街ごと別の都市」へ移して行う、ということも試みられているが、そうした「移設」の場合も、また「被災地での再建設」の場合も、これまで同様の「個別住宅方式」ではまずいのではないか、と思った。
いずれ我われは、『まったくの「自力」で生活困難な人、ある程度の介護やケアが必要な人』になってゆく。
そうした時に一人一人が「まったく分かれた居住空間に暮しながらケアされる」ということにどうしても無理があると思うのである。
かといって完全な老人ホームタイプでもない、「高齢者型住宅」の検討が必要ではないだろうか。
地域の地盤沈下が叫ばれて久しいが、その傾向はまだまだ収まりそうにない。


そんな中でまた今回のような災厄が起これば、同様の事態が繰り返される。
これから「超高齢化型」社会を迎える日本は、地方の都市設計においても全く新しい再建を考えるべきだと強く思う。
年金問題などと同様にリアル・ケアの問題は確実にやってくる。
(つづく)