藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

できること、しなければならないこと。


asahi.com<生きてゆくあなたへ>より安藤忠雄のコラム。

これほどの範囲で風景が消え、物理的にも精神的にも全てが一気に奪われる事態が起ころうとは想像もしていなかった。

「風景が消える」とはまさに安藤さんらしい表現か。
できることは、ただ復興。
それには「お金」が無条件にかかるだろう。
今は、四の五の言わずその「金」をどうやって集めるかが最大の課題でもある。
いくら知恵が、計画があっても、それを国の借金だけに頼る、というのでは心許ない。


ボランティアとか、基金設立とか、募金とか、いろんな方法がある。
だがもう一歩進められないか、と安藤氏は言うのではないか。

「国を挙げる」。

企業は、その収入の一割を。
個人はその現金収入の5%を。

国の法律ではなく、無条件で復興支援に回せないだろうか。
待たれるのは、それを「賢く、公平に使う叡智」としての政府機関である。
草の根の募金活動も貴重だが、もう「国を挙げての支援」に異存のある国民も少ないと思う。


いまこそ、気運を先取りした「次世代基金」の出現を期待したい。
政府に無理なら、財界/官界のどちらかで。
国民の気持ちは、今は一方向を向いている。


〈生きていくあなたへ〉1億人が支える 安藤忠雄さん

これほどの範囲で風景が消え、物理的にも精神的にも全てが一気に奪われる事態が起ころうとは想像もしていなかった。被害が都市部に集中した阪神大震災とは違う。皆さんには掛ける言葉も思い浮かばない。私たちにできるのは、国を挙げて、国民を挙げて「サポートされている」という実感をもってもらうこと。もちろん国が立ち上がらないといけないが、国にはお金がない。1億2千万人全員で支援しないといけない。

 ボランティア活動に加え、各地で基金を作る方法もある。衣料品会社が支援を決めるなど歓迎すべき動きもすでに現れているが、すべての企業が積極的に立ち上がるべきではないか。

 国際社会の連携にも期待したいが、原子力発電所の問題も含めて、国を挙げて、国民を挙げて闘っていかないと、日本という国の信用が失われて支援を受けられない。

 大切なのは、とにかく「みんなが立ち上がる」ことだ。