藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

未来へのチケット。


タイムマシン、への議論は「未来へ」はすでに実現可能であるらしい。
それが自分たちに体感できるかどうか、ということは別にして、だけど。


けれど一方、「因果律の破れ」をモットーとする「過去への旅」については、どうもまだ実現しそうにない。
というか、「そういうこと」への思いそのものが、今の科学者のモチベーショであるようでもある。


未来への旅、というビジョンは、未知の未来や「見果てぬ夢」への憧れであるのかもしれない。
これこそ、人類が挑む最大のテーマなのではないだろうか。

タイムマシンは実現可能か 未来旅行、理論上では証明
H・G・ウェルズのSF小説やマンガ「ドラえもん」などでおなじみのタイムマシン。空想世界に欠かせない“夢の機械”は実現可能なのか。

 「1秒の10億分の1という極めて小さな時間旅行なら、ジェット飛行機のパイロットが体験している」。米アリゾナ州立大学のポール・デービス教授はこう指摘する。未来へ行くタイムマシンは理論的に証明済みだ。


アインシュタイン特殊相対性理論によれば、物体の速さが増すほど時間の進み方が遅くなる。もし、光の速さの99%で飛べる宇宙船ができれば、船の中の経過時間は地上の7分の1になる。宇宙に10年間滞在すれば理論上、地球は70年たっている計算だ。


理論物理学の大家、自然科学研究機構の佐藤勝彦機構長は「将来は未来への旅が実現するだろう」と話す。ただ、スペースシャトルでも光速の数万分の1なので、今は時間旅行はできない。


問題は過去へさかのぼるタイムマシンができるかどうかだ。時間と空間の関係を理論化したアインシュタイン一般相対性理論では、「ワームホール(虫食い穴)」が存在するとされる。地球をビー玉の大きさに圧縮したような超高密度の物体の近くで、空間と時間がゆがんでできる宇宙のトンネルのようなものだ。


 相対論研究の第一人者である米カリフォルニア工科大学のキップ・ソーン教授は、ワームホールが「過去への抜け道になる」と唱える。一方の入り口を光速に近い速さで振動させれば、その場所の時間の進み方は出口地点に比べて遅くなる。出口に行った後、再びワームホールを通って入り口へ戻る。そこには過去の世界が現れるという。


 ところが、過去に行くタイムマシンには「因果律の破れ」というパラドックスが立ちふさがる。過去に戻って結婚前の両親を殺してしまえば、自分はどうなるのかという問題だ。「車椅子の天才」と呼ばれる英国のスティーブン・ホーキング博士は過去への時間旅行には、計算上無限大のエネルギーが必要になるなどの制約があってできないと主張する。ホーキング説を支持する物理学者が多いが、まだ証明されたわけではない。


 一流の物理学者たちがタイムマシンをまじめに考え、議論を戦わせている。「時間や空間への理解を深めることになるからだ」と佐藤機構長は強調する。


 いずれ決着はつくのだろうか。タイムマシンが開発されたら未来へ行って確かめてみたいものだ。(編集委員 青木慎一)