藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

悪のみか。 

臓器売買、というともう聞いただけで反射的に"悪"それも"極悪"を連想する一般市民は自分だけだろうか。
先日、江戸川区の医師が一千万円で自分用に腎臓を買おうとした、と摘発された。
間に暴力団関係者が関与していた、とあってはまあ"極悪"な事件としか聞こえないが、それにしても「需要と供給」のあっての話である。


いろんな法的解釈、ドナー制などの制度、倫理観が絡む問題だが、もうすこし柔軟に議論できないものだろうか。
依然として「移植」を心待ちにしながら、一向に順番が回ってこない患者の話は頻繁に耳にする、ということもある。
自由に売買を認めてしまうと、いわゆる「人身売買論」みたいな話にしかならないと思うが、「価格の完全管理」とか、臓器提供登録制度の具体的な推進(優遇措置)、とか色んなアプローチで推進すべきではないかと思う。


脳死の判定などにはまだ基準や方法に賛否が喧(かまびす)しいようだが、もっと手前の「ごくノーマルに亡くなった人」の扱いを、ぐっとドナー制度へ誘導することは可能だと思うのである。
エコロジーというと、途端に「不謹慎な!」とお叱りを受けそうだが、もう少し議論を深めてもよいのではないだろうか。


ぜひ提案していきたいと思う。


臓器売買容疑、医師逮捕へ 暴力団組員側に1000万円
腎不全を患った東京都江戸川区の男性医師(55)が1千万円を支払い、うその養子縁組をして腎移植のために腎臓を提供してもらおうとした疑いが強まったとして、警視庁は23日午前、医師とその妻(48)、仲介役で同葛飾区の暴力団組員の男(50)ら5人について、臓器移植法違反(臓器売買の禁止)と電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕状を請求した。同日中に逮捕する方針だ。

 日本での臓器売買をめぐっては、2006年に愛媛県宇和島徳洲会病院で腎臓を提供した知人女性に現金を支払うなどしたとして、男女2人が逮捕、起訴された例がある。医師の関与が明らかになったのは初めてで、移植のあり方をめぐって信頼性を揺るがす事態になりそうだ。

 捜査関係者によると、この医師は院長として江戸川区でクリニックを経営。05年夏ごろに腎不全と診断され、人工透析を受けており、腎移植を望んでいたという。