藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当の贅沢

飽食の時代、と言われる。
自分が生まれたころと比べても、今はずい分贅沢になっている。(半世紀か!)
衣食住。
まずは電化か。
白物家電が憧れの対象になり、恐ろしい勢いで普及しつつ、また製品も進化した。
白物単体、でみれば今の家電は究極の産物だろう。


次に食べ物。
半世紀前はファストフードというものはなく、また日本酒とビール以外の選択肢も少なかった。
(焼酎は、いわゆる労働者の飲み物、という位置づけで、今でも70歳以上からは敬遠されている。)
またたく間に、食文化は拡大・発展した。
マクドナルドが現れ、日本発のハンバーガーチェーンも出来た。
まけじと和食の丼もの、定食屋がチェーンを営む。
そうこうするうちに、ファミレスが登場。
ロイヤルホストはファミリーに、デニーズは若者に受け入れられた。(ああなつかしい)

食が洋食化し、トースト(まあパン食)やパスタが人気になるにつれ、ハンバーグや海老フライから始まり、フレンチがブームになり、イタリアン、スペイン料理からエスニックまでと、広がるだけ広がった。
酒文化も進化した。

まずビールが先鋭化し、アサヒのスーパードライが先鞭をつけて多種のビールが広がった。
そして日本酒。
蔵元めぐりも、若い女性の人気コースとなり、高級日本酒が出現。今でもファンは多い。
そしてワインブーム。
そして焼酎ブーム。


話がそれてしまった。
住宅文化、食文化はこの50年でちょっと想像を超えて進化してきたと思う。
そして服飾。
これは、食べ物や家電などに比べて、もっともその変化が目につきやすい。
流行、というくらいで、まあもう「ついていけない」という感じのモードが毎年発表され、そして若者たちがそれを実に上手く取り込んでゆく。
なに、自分の若いころも革靴で先のとがった「凶器シューズ」にあこがれていたじゃない。
そんなものであった。

本当の文化

さて。
衣食住、はどちらかというとやはり「生きるため」の動機に直結している部分がある。
もともと、人間には最も大事なものであるから。まあ当然である。
その意味で、文学とか、音楽とか、芸術とか、はその後から進化してきている。

絵画や書画などの芸術には縁遠いので分からないが、こと音楽についての進化は"今が旬"なのではないだろうか。

これもネットの恩恵である。
今、街ゆく人のほとんどが携帯端末を持ち、多くの若者はイヤホンを着けている。
音楽はもう彼らのプライベートタイムの一部になっているようだ。
そして自分も最近は「そんな恩恵」を感じるようになった。

朝起きて、一番に聴きたい曲。(女性ボーカル、明るめ、アップテンポ)
通勤している時に聴きたい曲。(フュージョン、アップテンポ。軽め)
オフィスでBGMに流したいジャンル。(ボサノバ)
仕事の休憩中に聴きたい曲。(ジャズ、コンテンポラリ)
街中を歩いている時。(男性ボーカルなど)
夜食事しながら。お酒を飲みながら。(クラシックジャズ)
帰宅途中。(ラテンなど)
帰宅して、ホッとしてまた酒など飲みながら、就寝まで。(クラシック室内楽かインスト)

例えば一日に8シーンも、自分向けに音楽を選曲し、編集して持ち歩く、というのは至難の業である。
有線放送を持ち歩けばいいようなものだが、それも叶わない。
(その意味では有線の将来は大変であろうと思う)
そんな「日々の生活に音楽を纏う」という次代になった。

自分にとって久しぶりに大きな「ネットの恩恵」を感じている。
ソフトの威力はすさまじい。