藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

サービス業の変化。

サービス業というのは、時に驚くような変化を見せる。
製造メーカの製品が、「製品そのものの進化」であるのに比べ、サービス業のそれはサービスする要素そのものはあまり変わっていないのが特徴である。
自分が中学一年ころ。
いや小学校のころから「ビデオゲーム」がブレイクしそうな予感はあった。
当初はグラフィクスというほどの物もなく、ただこれまでは決まった番組しか受信しなかった「テレビ受像機」に、カクカクした「棒状のもの」が表示され、これまた「四角い球を模したもの」をテニスのようにお互いに撃ち返すという"テレビテニスゲーム"は、衝撃的に楽しかった。

それからはスペースインベーダー以降、破竹の進撃だったが、今は昔。
先日、久しぶりにゲームセンターを覗いて驚いた。
遊んでいる人も少ないが、何より「ソフト」が全然進化していない。
もう出入りしなくなって15年は経つが、格闘ゲームなどのグラフィックが綺麗になっているくらいで、あとは「ネットワーク対戦」をしている人ばかりだった。
"ゲームソフトの進化は完全に止まったな"と直感する。
進化し尽くした、ということなのかもしれない。

あらたな集会所。

そんな斜陽の射すゲーセン。
なんとお年寄りの憩いの場になっているという。
先日、信濃町の大きな病院に立ち寄った際、待合室の一角が本当にお年寄りの集会所になっているのを目の当たりにして驚いたが、確かに病院に集うよりはゲーセンの方が楽しいだろう。
それにしても、自分たちの青春では"最先端の不良?"こそが集っていたゲーセンが、リタイア後のコミュニティになるとは驚く変化である。

そして、自分もあっという間に「そんな世代」に突入してゆくだろう。
二十年後、まだゲーセンは存在してくれているだろうか。

asahi.comより
「ゲーセン」いまや常連はお年寄り シニアサービス充実
かつて子どもの遊び場だったゲームセンターがいま、お年寄りも楽しめる「憩いの場」になりつつある。ほかの娯楽施設より安く長く遊べる点が人気のようだ。少子化と若者の「ゲーセン離れ」に悩む業界各社も、シニア向けサービスに本腰を入れ始めた。

 8月中旬の平日昼下がり。東京都葛飾区のゲームセンター「ハロータイトー亀有」では、十数人のお年寄りが遊んでいた。

 「今日の調子はどうかい」。畳敷きベンチに座って小藤チエ子さん(76)が野田マツさん(86)に話しかけた。2人ともここの常連客で、通っているうちに友達になった。10年ほど前に夫を亡くした小藤さんは「1人で家にいるとぼけてしまうけど、ここでゲームをしていれば時間を忘れられる」と語った。

 店は2年ほど前から高齢者が増え始め、今は平日昼間の利用者の8〜9割を占める。人気は「メダル落としゲーム」。手持ちのメダルを投入して装置内のメダルの山を崩して遊ぶ。上達すると、千円あれば長時間楽しめる。

 大半のお年寄りは数時間は滞在し、ゲームの途中でお茶を飲んだり、弁当を食べたりして仲間と雑談して過ごす。「ゲームセンターが交流の場になっているようですね」と酒井康彰店長は言う。タイトーは高齢者向けに、全国約20店舗で今年1月から店内のベンチを畳敷きに変えた。