藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

Jobs、逝く。

現代ビジネス界でもトップクラスに注目されたカリスマの逝去。
appleのこれからを云々言う向きも多いが、彼の会社の看板は、最後までデザインされていた。
短いメッセージが悲しみを誘う。

「日本に敵いない」〜中国ネット大手、百度に聞く日本戦略
インターネット検索で中国最大手の百度バイドゥ)が勢力拡大を急いでいる。世界的に需要が膨らむスマートフォン(高機能携帯電話)では基本ソフト(OS)に参入し、米デルとの端末開発も表明した。海外市場の開拓で重視するのは日本だ。陳海騰・駐日首席代表に日本市場での戦略やライバル企業について聞いた。

■日本市場の存在は大きい

――日本市場の位置づけは。

「2006年に始まったグローバル戦略の第1歩として最初に進出したのが日本であり、きわめて重要だ。創業10周年の昨年、ロビン・リー会長兼最高経営責任者(CEO)は『2020年に売り上げの半分を海外で稼ぐ』と宣言した。そのなかで日本の存在は大きい」

――具体的な市場攻略策は。

「日本ではパソコンの文字入力などに不可欠なIME(日本語入力システム)の普及に力を入れている。入力ソフトは毎日使う。日本の検索市場ではグーグルやヤフーが大きなシェアを持ち、直接ぶつかっても(すぐに勝つのは)難しい。まずIMEでユーザーを囲い込んでから(検索サービス強化など)次の展開を考えたい。IMEは言葉の処理や漢字変換など検索の技術を応用できる。ユニークユーザーは月に100万人を超えており、一定の支持を集めている」

―― 一方で中止するサービスも目立つ。

「今は日本のマーケットを勉強する段階で、商品戦略の調整ととらえてほしい。SNS(交流サイト)のミクシィで人気を集めたゲーム『サンシャイン牧場』は中国企業がつくった。ネットの世界に国境はなく、日本が進んでいるとは単純に言い切れない。中国のサービスが日本で受け入れられることは十分にあり得る」


■孫さんは投資とPRが得意だが…

――ネット人口は中国が世界一になった。

「検索件数やページビューが多い方がユーザーの声を分析しやすい。今は米国発が多いが、これからは中国で新しいビジネスモデルが生まれ、世界に普及するかもしれない」

百度は(各種ネットサービスを束ねて提供する)プラットフォームになるのが目標だ。(百度のサイトにソフトを埋め込む技術である)APIを公開し、テレビ局や雑誌社、銀行、証券会社、ゲーム会社などのコンテンツが百度のサイトから簡単に手に入るようにした。違法コンテンツが見つかればすぐに削除するなど各国の法律にのっとって事業をしている」

――収入源はネット広告。日本事業の現状は。

「日本企業は百度の日本法人経由で中国に広告を出稿できる。ネット広告だけでなく、雑誌広告、地下鉄のポスター、セミナー共催などにも対応するクロスメディアの体制をとっている。日本からは観光やEC(電子商取引)などの広告出稿が多い。われわれは日本語で提案し、日本円で決済できる」

百度は日中のビジネスをつなぐゲートウエー(通路)になる。ネット企業で日本にも強い、中国にも強いというところはほかにない。北京と東京を結んでこれほど円滑にコミュニケーションできる企業はなく、日本にライバルはいない」

――孫正義社長率いるソフトバンクは中国のネット企業に積極投資している。日中で強みがあるのでは。

「孫さんは投資とPRが得意だが、(実情は)各社に聞かないとわからない。お金さえあれば出資はだれでもできる。成功するかどうかはお金ではなくオペレーションする経営陣で決まる。孫さんも出資先企業すべての役員会に出るのは難しいのではないか。本当にシナジー効果があるのかどうか」


■日本の教育にも問題

――日本のネット企業の実力をどうみる。
「日本のネット企業は国内では勝ち組でも、海外ではつらい。サービスやコンセプトに頼って事業をしている。世界中で競争できるテクノロジーを持っているのか疑問だ。百度はエンジニアを4000人抱え、技術力は世界でもトップクラス。そういうネット企業は日本にない」

「例えば検索サービスは情報の収集・分析、ハッカーと戦う能力など、トータルな技術力がないと成り立たない。ハードルは高く、世界規模で手掛けられるのは3社(米グーグル、米マイクロソフト百度)だけだろう。それ以外の分野でも外資系がどんどん日本市場に攻めてくる。SNSではフェイスブックの利用者が増えていると聞く。ミクシィは大丈夫だろうかと感じる」

――日本企業との提携は増えるか。

「今は楽天、NTTドコモと提携しているが、今後もケース・バイ・ケースで判断していく。インターネットはものすごい勢いで変化している。半年たてば技術動向や業界勢力図も変わる。スピード感があって本気で事業をする会社と組みたい」

――企業買収も選択肢か。

「検索やモバイル関連でいい技術や会社があればオープンに話を聞きたい」

――日本経済は失速が続く。

百度本社では1万3000人が働き、平均年齢は28歳と若い。夢を持っているのでみんな一生懸命だ。日本はそういうところが若干、足りないのではないか」

「日本の基礎研究はしっかりしている。戦後50年で蓄積したものがある。中国は簡単には追いつけないが、発想は中国人の方が豊かだ。問題は日本の教育の仕組みではないか。日本の小学校に通う自分の子供の運動会では、みんなそろって金メダルをもらっている。それでは子供の個性が失われる。中国では1番にならなければ金メダルをもらえない」