藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

永久暦。

米の天文学者が、現在のグレゴリオ暦の「うるう年」が不要で「毎年同じ日が同じ曜日になる」という暦を提唱している。
一年は364日に。
ただし「余り」がでるので、4-5年に一度「余りの一週間」が挿入される。
この余りが「一週間」と言うこところがミソで、「一週間単位」で挿入されるので、「一月一日は必ず日曜日」ということになる。

カレンダーの意味。

思えば、毎年曜日が不規則に変わることについては、あまりの固定観念があり、日本の暦のように「祝日の一感覚だけがかなり頻繁に変わる」というのが当たり前の暦だと思っていた。
従って、もう毎年の十月くらいになると、来年の手帳とか、カレンダーとか、またそしてどれが使い易いか、などはもうずっと長いこと年末の風物詩である。

「今年は連休が多いですね」とか「今年の盆暮れは"並び"が悪いですなァ」などというのは、当たり前の会話で、またどちらかと言うと話題としても洒落てタイムリーなものなのだ、と思っていたが、確かに効率はよくない。
カレンダーはそのために毎年莫大な変更費用を費やしているだろうし、毎月の日付と曜日が永遠に入れ替わるせいで、「一月四日の仕事始めは必ず水曜から」とか「お盆は金曜日に」という「日付と曜日の関係の概念」は現代の自分たちにはまったくない。
「再来週のご予定は…」というと、携帯電話加手帳を出さねば、まずスケジュール管理は不可能である。
それがこの「新暦」がもし採用されれば、「八月の頭は月曜でしたね。」とか「クリスマス明けの月曜のアポイントにしましょう」とかなり固定的な運用が可能である。


そのうちに、一年364日全部の日付が、皆の頭の中に入って、少なくとも「日付と曜日の関係オンチ」という現象はなくなる。
ビジネスをする上では、これは便利だ。
ぜひ導入の検討の余地はあると思う。

だが。
「今年のお正月はどうする?」とか
ゴールデンウィークは今年は長めにしようかな」などという毎年の「カレンダーとにらめっこしながらの予定探索」という醍醐味はなくなる。
結構、生活の中の「時候の趣」がなくなるというのは、寂しい感じがするものだ。

sankei.comより
曜日が毎年変わらない「合理的な新しい暦」
ジョンズ・ホプキンス大学天文学者が、現在のグレゴリオ暦に代わるものとして、うるう年が不要で毎年同じ日が同じ曜日になり、経済活動にも有益という合理的な新しい暦を提案している。

現在使われているグレゴリオ暦は、制定から何百年も経っており、うるう年があって、日付が流動的だ。ジョンズ・ホプキンス大学天文学者は、この暦に代わり、より洗練され標準化された新たな暦を世界に普及させようとしている。

リチャード・コン・ヘンリー氏が提案する新たな暦では、1年のうち30日の月が8カ月あり、3カ月ごとに31日の月が入る。そして数年に1度、余った時間を調整するために「おまけの1週間」が追加される。

『ハンキ=ヘンリー・パーマネント・カレンダー』というこの暦では、1年1年が規則的に繰り返され、仕事のスケジュールを毎年調整しなおす必要がない。すべての日が前年と同じ位置を占め、それが翌年も繰り返されるのだ。1年を364日とするこの暦を、2012年の1月1日から導入したとすると、クリスマスも元日もこれから毎年、日曜日になる。


「現状を変えることは可能だ」と、米航空宇宙局(NASA)の天体物理学者だった経歴を持つヘンリー氏は話す。同氏は、2000年代に入って間もないある年の年末、丸1日を費やして、翌年の講義スケジュールの調整を行っていた。1年365日を1週間7日で割った余りの1日を、スケジュールに反映させるための作業だ。「私はそうした作業を何十年もやってきたが、これは本当に必要なのかと考えた。そしてそれは必要ではない」

「世界のすべての会社や機関、スポーツの試合の予定等が、毎年カレンダーを調整している。祝日の日も毎年変えなければならない。しかしこれらすべては不必要なのだ」

ヘンリー氏の暦は、1996年に考案された『ボブ・マクリノンズ・リフォームド・ウィークリー・カレンダー』と呼ばれる暦の改良バージョンだ。考案者の名を取って名付けられたこの暦は、1年が4つの四半期からなり、月の日数が30日、30日、31日で周期する。ヘンリー氏はこれにおまけの1週間を追加した。グレゴリオ暦で[5〜6年ごとに生じる]最初か最後の日が木曜となる年に、このおまけの1週間を加えると、地球が太陽の周りを1周するのに要する365.2422日とのずれを完璧に調整できる。

この暦を2004年に初めて発表したとき、ヘンリー氏はこのおまけの1週間を、偉大なるサー・アイザック・ニュートンに敬意を表して「ニュートン週」と呼んだ。


1582年にローマ教皇グレゴリウス13世がグレゴリオ暦を制定した際には、その1,628年前にユリウス・カエサルが制定したユリウス暦を改良するために、会議による決定を必要としたが、ヘンリー氏にはインターネットという武器があった。ウェブページを掲載しただけで、モスクワのテレビ局や西オーストラリアのラジオ番組で紹介されたという。

しかしその暦は、これまで存在してきたほかの新暦の試み同様、そのうち忘れ去られてしまった。

今回ヘンリー氏は、ジョンズ・ホプキンス大学の経済学者スティーブ・ハンキ氏とともに新暦を再び提唱した(「ニュートン週」という呼称はなくなり、シンプルに「追加週(extra week)」と呼ばれている)。

ヘンリー氏とハンキ氏は、リバタリアンシンクタンクであるケイトー研究所のウェブサイトに転載された記事の中で、ハンキ=ヘンリー暦を導入すれば、経済活動は合理化されると主張している。現行のグレゴリオ暦による日付のずれは、利子の計算などを困難にしているからだ。さらに、クリスマスと新年が永遠に日曜日になれば、現在のように週のまんなかでこれらが生じて、「2週間も全経済がストップする」ような事態も避けられるとヘンリー氏は言う。


ヘンリー氏によれば、グレゴリオ暦は完全に消え去るわけではなく、引き続き農業に使われるだろうという。例えばユダヤ人がユダヤ暦と西洋式のカレンダーを併用するように、あるいはパイロットたちが仕事では協定世界時を使い、日常生活ではローカルタイムを使うように、両方を使い分けることは可能だというのだ。

なお両氏は、時間についても合理化しようと提案している。世界中のすべての時計を協定世界時グリニッジ標準時)に合わせれば、時差などというものは廃止され、また、ヘンリー氏が特に不満に思っているサマータイムもなくなるという。

それは最初は少々奇妙に思えるかもしれない。例えば米国西部に住んでいる人は、午前7時に就寝するようになるからだ。しかし人は適応することができる、とヘンリー氏は主張する。スピード制限や館内禁煙も、当初は奇妙に思われていたというのだ。

西太平洋地域では、正午に日付が変わることになるが、少なくとも国際日付変更線などという奇妙な制度は過去のものになるだろう。