藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当の換骨奪胎のために。

今回の選挙は、解散までにウソつきとか、マニフェストがウソだったとか、とても引き際が見苦しいようにみえたけれど。
それはともかく。

民主党が半世紀以上続いた政権を奪ったものの、あれは結局派閥抗争の延長みたいなものだったのだ。
今の時点から過去を眺めればそんな風に思える。
決して無駄ではなかったが、なにせ競技しているプレイヤーの顔触れはほとんど変わらず。
一部のエコノミストとか、超若手の新人が入ったくらいで、基本的には「政治どっぷり」の人たちによる権力闘争の色合いが強かった。

今回、民主党世襲禁止とか、いくつかバラバラに見える施策を打っているが、一つ一つを見てみると「これまで」とはかなり違った試みになっている。
今回は16の政党が乱立するらしいが、民主・自民の戦いが結局はほとんど「元自民」だったのに比べれば、ずい分と新しい顔ぶれが増えている。
維新の橋下氏が筆頭だが、石原さんだって国政ではもう新人並みにブランクがあるし。
また大政党から分離した人たちは、数を頼んでいない分旗幟鮮明である。

TPP反対、とか減税とか原発とか、景気対策とか。
これまでのような、あまりに大きなパーティだと意見調整が出来ず、結局ボケたスローガンが表に出てきて、国民は見ていて歯痒い思いばかりするものである。

そして橋下氏がまず「一本化」を画策するのももっともで、旧二大勢力を打ち倒すことこそが、今回の選挙の最大の眼目だと思う。

それは「既得権益との決別」という極めて重要な問題をはらんでいる。

世論調査では自民党が早々と支持率トップらしいが、ここはよく考えねばならない。
一度与党の座を滑り落ちたとはいえ、一代限りの後退で、はたして本当に新しいことが出来るだろうか。
二大政党を見てみれば、さすがにまだまだ「旧政党キャリア」の人が多数を占めている。
顔ぶれをみる限り、また自民に戻っても同じことのように思うのである。
与党になったとたん、これまでよろしく「屋上屋を重ねる」ような行動に出るのが見えてはこないだろうか。

一旦成し遂げた政権交代を、その中身も本当に刷新し、本物の「体質転換」をするには、今回の選挙で「少数・政策明示グループ」である今の少数政党に、リードのバトンを渡すべきである。

完全に「守旧派」からの決別をせねば、旧体制の澱は何処までも付いてくるだろう。
民主の事業仕訳の様子などを見ていても、つくづくそう思う。

利権とムダに染まってしまった権力の構造は、一度きれいに断ち切ってしまう以外に手を切る方法はないだろう。
有権者は、ようやく今回からが思案のしどころではないかと思うのだ。
そういう視点で、少数派に目を向けてみてはいかがだろうか。

橋下氏「一本化の大英断を」 みんなに合流呼びかけ
 日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は23日、テレビ朝日の番組で、みんなの党に対し「国のことを思うのなら一緒になろう。東京都知事選の告示日(29日)までに一本化の大英断を」と、維新への合流を呼びかけた。みんなの渡辺喜美代表らと調整したい考えだ。
 橋下氏は維新とみんなの候補者が衆院選の18選挙区で競合していることをふまえて「一つのグループになれば、選挙区調整は意地でもやる。僕も代表代行というポジションにこだわらない」と述べた。
 また橋下氏は、自民党衆院選公約に国防軍創設を盛り込んだ点について「自衛隊の名前を変えるのは反対。名前ではなく力を強めるべきだ」と防衛費の拡充を訴えた。