藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

解放する力。

厄介なのは「経験があるほどスキルもつく」ということだ。
その分野で、より経験のある人ほど難しい課題もこなすし、結果も出す。

それを「チャレンジだ!」とばかりに経験のない弱輩者が挑んでみても良い結果は全然出ないだろう。
つまり、求められるものはより矛盾してくる。

「経験のある者」ほど「新たに工夫をする」とか「外部の業界に教えを乞う」ということが必要になるのである。
よく人物伝などで、自らの業界で大成功した人が、抜群に人懐こく、また興味心満々で、異分野の若い人やまた、異分野のベテランにいろいろと質問していることがある。
あれである。

解放する力、とでも言えばいいだろうか。

どれだけ経験を積み、知識を備え、周囲を見通せているようでも、それでも慢心しない。
あるいは「常に冷静な目を持つ」ということだろうか。

ある未知のテーマに遭遇したとき、山ほどもある自らの経験や成功体験や知識を、必ずしもベースにせずとも話ができる能力のこと。

とかく、自らの経験のある分野やその周辺では、思わず「物申したく」なるものである。
経験や自分の力が邪魔をするのである。

まったく自分が「その分野について知らないがごとく」の境地で、まず相手の話を聞き、問題の本質をとらえてみる。
自らの経験を生かすのはその後でよい。

経験値がどこまでも伸びる人、というのはスキルフルかつ柔軟ということだろうか。
そんなことを最近よく考える。