藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

レッテルの怖さ。

いわゆる「ニート」の人たちが100人余りも集合して会社を設立したという。
「もうそれはニートではないのではないか」というツッコミはなしにして、結局「そういうマネジメントもあるのだな」と思うのである。

社会が、「就職しない、登校しない子供や人々」の処置や理解に困り、「ニート」という名称でひとくくりにして、それを均一の対象者として論じてきたことが、「旧体制の誤謬」であると思う。

社会の多様化というか、今の時代の豊かさとか、政治とか、経済とかが「必然的に生み出した存在」がニートなのである。
そういう意味では「時代の空蝉」というか、まあ「今の時代にして…」とまさに言われるようなものなのではないだろうか。


人は、「ただ物質的に恵まれたから(精神的に)幸せを感じる」ものではなく、「自分の周辺との差異とか、環境」を基準にして自らの状態を計るという性質がある。

いよいよこれから「マイノリティ」という括りで日陰にいた人たちが「ある種の思想」を持って表出してくる時代になるのかもしれない。
そしてそうした現象こそが、リテラシーの進化なのではないかと思う。

ニート君たちは蔑む対象ではなく、新しい表現の形なのかもしれない、というくらいの視野が必要ではないだろうか。

ニート166人で会社設立 全員が取締役、経験を事業化

【広部憲太郎】学校に行かず、仕事も持たない「ニート」と呼ばれる若者たち166人が会社を作り、10日、東京都内で設立会見を開いた。一人6千円ずつ出資し、全員が取締役。「社会の少数派が集まり、新しい何かを作りたい」と意気込んでいる。
 社名は「NEET(ニート)株式会社」。インターネットを通じて全国から意欲のあるニートを募り、11月に創業した。取締役の平均年齢は27・9歳で、10代と20代が65%を占める。就業規則や出勤時間はなく、社長は取締役が日替わりで務める。代表取締役会長には企画段階から中心となり、唯一ニートでない慶応大SFC研究所上席訪問所員の若新雄純(わかしんゆうじゅん)さんが就いた。
 「飲んだら脱力する逆エナジードリンク」「可愛い女の子の部屋の空気の缶詰」「ニートブラック企業と戦うゲーム」などの企画を考えているという。企業に持ち込むなどして、事業化していく計画だ。
 取締役の角谷祐太さん(27)=東京都武蔵野市=は「就活に失敗して引きこもった時期もあったが、この会社で個性ある人たちと励まし合い、前より明るくなれた」。若新さんは「ニートのような少数派は負のレッテルを貼られがち。マニアックさを生かして、ただの労働・生産ではなく、創作・創造へと発展させたい」と話す。