藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分たちが原因。

都議会議員の女性に対してのセクハラ発言が何度も報道されている。
程度の悪いトピックスだなと思っていたが、その後の当事者や周囲の態度を見ていてははぁ、と思った。
これが、今の日本の大人なのである。

結構GDPが高くて、経済的にはしっかりしている。
けれど、自分の「価値観の物差し」には自信がなく、どこか強い劣等感とか無力感を持っている。
まさに心の闇、のようなものだが、それほど高度な構造のものではない。
子供レベルの「人がうらやましい」とか「見せかけの装いに関心が高い」というくらいの程度で、深みがない。
すぐに物事を「勝ちか負けか」というような分け方で見分けようとする。
そうすると複雑なことを考えずに済むからだろう。
思考の怠慢である。

若い人のネットでの炎上がよく問題になるけれど、同様いや、むしろ今の大人にその原因はあると思う。
何か匿名的に「他者を攻撃する機会」があれば、残忍性をむき出しにして普段以上の極端な言動に走るのである。
まともな成人が、女性の社会的処遇を検討する議会で、当の本人を揶揄する発言などするはずがい。
結局誰も見ていないような「隠れたところ」に行けば、紳士のかけらのマインドもない下品な人間なのである。
普段は違う顔をしているから余計にいやらしい。
一連の報道を次々目にするたびに、そうした「無責任さ」「往生際の悪さ」「残忍さ」を見ているようで気分が悪いのは自分だけではないだろう。

起きた問題はともかく、その後の周囲の対応が「そういう価値観の世界」を作り出す。
曖昧な対応は、今の子供たちにとってもっともよくないと思うのである。
(つづく)

女性都議へヤジ、抗議1千件 自民、発言者特定せぬ意向
東京都議会で晩婚化や晩産化の対策について質問した塩村文夏(あやか)都議(35)が、「自分が早く結婚すればいい」と男性都議からヤジを飛ばされた。ウェブ上で「セクハラだ」と議論が高まり、都議会には1千件を超す批判が殺到した。最大会派の自民は、発言者を特定せず幕引きを図ろうとしている。

トピックス「女性都議へのヤジ問題」
女性都議に「産めないのか」 自民?議員席からヤジ
 「議会の品位をおとしめるヤジは無いよう注意して欲しい」。各会派の全女性都議25人は19日、吉野利明議長に申し入れた。塩村氏が所属するみんなの党は19日、発言者の処分を求める申入書を議長あてに出す方針を決定。発言者が不明のままの場合、録画映像の音声から声紋分析する準備も進めている。

 問題のヤジがあったのは18日の都議会。晩産化について質問した塩村氏に「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」とヤジが相次いだ。議場に笑い声が広がるなか、働く女性の支援を掲げる舛添要一知事も笑みを浮かべ、塩村氏は議席に戻ってハンカチで涙をぬぐった。

 塩村氏は自身のツイッターに「心ない野次の連続」と投稿。翌19日までに約2万回のリツイート(転載)が広がり、「企業なら懲戒処分だ」「都議会は腐敗している」「都議会は、女性の社会進出と言っているが、結局は建前だけ」などの声が相次いだ。19日、塩村氏は「同調するように面白おかしく取る方たちがいた。不妊で悩む人の顔も浮かんだ」と声を落とした。

 みんなの党は、ヤジが「自民の席から聞こえた」と抗議。自民の吉原修幹事長は「自民の議員が述べた確証はない。会派で不規則発言は慎むように話す」と述べるにとどまり、発言者を特定しない意向を明らかにした。

 ツイッターで「うやむやにするつもりか」と批判した都教育委員で作家の乙武洋匡さんは「今回のヤジはおもてなしと正反対。本当にこの街で五輪を開催できるのか」と述べた。(後藤遼太、前田大輔

■「おい、動揺しちゃったじゃねえか」

 塩村氏は18日の一般質問で、割り当てられた時間の半分を出産や不妊に悩む女性の問題にあてた。「不妊治療を受ける女性のサポートを都は手厚くすべきだ」。そう訴えると、左前方の自民都議らが座る一角から、「お前が早く結婚すればいいじゃないか」「産めないのか」などとヤジが相次いだ。塩村氏が声を詰まらせながら質問を続けると、「おい、動揺しちゃったじゃねえか」と別のヤジも飛んだ。

■セクハラ発言「罰則はない」

 都議会での議員の発言については、会議規則で「騒ぎその他議事の妨害となる言動をしてはならない」と定めているが、セクハラ発言については「罰則はない」(議会事務局)という。一方、傍聴人がヤジを飛ばすことは規則で禁じられ、違反すれば議長の命令で議場外に連れ出される。

 政治家の女性蔑視発言では、2003年に太田誠一衆院議員が早大サークルの強姦(ごうかん)事件で「集団レイプする人は元気があるからいい」と発言し、07年には柳沢伯夫厚生労働相が「女性は産む機械」と述べて批判を浴びた。いずれも次の国政選挙で落選した。