藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

色の問題ではなく

いろいろと流行語は登場するけれど「ブラック○○」というのも昨年から今年にかけてのはやり言葉になった。
残業代については自分も過去に苦い思いをしたことがあるが、今や労働側の保護は時代の大きな流れである。
会社の求人でも正社員と銘打てば人が集まり、期間雇用というと人気が極端にないと聞く。
欧米の友人は日本の労働法制を聞いて「凄く手厚い」と驚いていたが、それにしても正社員志向がこれほど強いのは「保守志向」に現れなのだろうか。

かつては自分も建設現場や水商売のバイトをしていたが、あんなもの隅から隅までブラックで、正社員ですら雨が降れば仕事なし、とか歩合なければ給与なし、みたいなことがそこら中にあって、どこか「キツいキツい」と言いながらもそれを楽しんでいるような雰囲気すらあったが、今はそんなに甘い空気ではなさそうである。

それにしても仕事を探すのに「ここの仕事はブラックでは?」という観点ではなく、「時間なんか関係なく働いてやるサ」という姿勢の方が俄然当人のためになると思うので、若い人には決してミニ共産主義者みたいにはなって欲しくないなぁと思うのである。
だって自分の趣味とかで徹夜してもブラック、とか言わないじゃない。

「ブラックバイト」ご用心…長時間労働や責任重い仕事強要

アルバイトに責任の重い仕事や長時間労働を強いるトラブルが広がっている。
若い社員を酷使し、使い捨てる企業を指す「ブラック企業」になぞらえ、「ブラックバイト」と呼ばれる。学生のバイトが増える夏休みを前に、専門家が注意を呼びかけている。
 東京都内の大学3年生の女性(21)は、1年生の時から飲食店でアルバイトをしている。当初の条件は「週2回、3時間」だった。だが、半年ほどたった頃から週3回勤務を要求されることが増えた。「勉強の時間がなくなる」と断ると、店長に「ほかにいないんだ!」とどなられた。
 急に電話で呼び出されたことや、休憩なしで8時間以上働いたこともある。サークルの行事と重なって勤務の変更を頼んでも「無理」と一蹴されたり、風邪をひいて「休ませてください」と伝えても「よく寝た後で出勤できないか」と催促されたりした。
「商品を買い取らされた」「辞めさせてくれない」

 中京大教授の大内裕和さん(教育学)が昨冬、中京大の学生約260人にアンケートを実施したところ、「販売ノルマを達成できないと、商品を買い取らされた」「働く曜日と時間を変えてもらえず、試験を欠席した」など、約6割が労働法に抵触したり、学業に支障が出たりする環境で働いた経験があった。大内さんは、こうした過酷なバイトを「ブラックバイト」と名付けた。
 5月に愛知県の弁護士が行った「『ブラックバイト』無料電話法律相談」にも、「バイト先の飲食店で1日12時間も拘束され、『辞めたい』と言っても辞めさせてくれない」などの相談が寄せられた。
 全国大学生活協同組合連合会が昨秋、学生約9000人に行ったアンケートでも、入学後のトラブルとして、最多の「宗教団体からのしつこい勧誘」(4・6%)に次いで、「アルバイト先での金銭や労働環境」(4・3%)が入った。
働かないと生活ができない学生

 ブラックバイトが広がる背景には、学生と企業双方の事情がある。大内さんは「親の収入が減り、働かないと生活ができない学生が増えている。また、『バイトリーダー』『バイトマネジャー』などと名ばかりの役職を与えられたり、『自分が辞めると店が回らなくなる』と思い込まされたりして、辞めづらくなっている」と話す。
 三菱総合研究所(東京)主任研究員の氷川珠恵さんは「『社員は店長1人で、店員30人は全部バイト』という飲食店も多く、重要な戦力であるバイトを辞めさせないよう、無理に引き留める企業も目立つ」と話す。
 学生はどうすればいいか。労働問題に詳しい弁護士の佐々木亮さんは「学業が最優先なので、働き始めて支障が出るようなら、辞めるのも選択肢の一つだ」と助言する。労働条件などに不安を感じたら、各労働局や労働基準監督署の「総合労働相談コーナー」などへの相談を呼びかける。
 これからバイトを探そうという人にも、佐々木さんは「面接の時に働けない曜日や時間を伝え、自分の都合と合わなければ、慌てないで他を探すこと。また、できるだけ、労働時間や業務内容、賃金などを記した契約書を作るよう、バイト先に要求したほうがいい」と話している。
 (吉田尚大)