藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

最後は激安で。

原油安が止まらない。
株は日米で高値を更新したりしているが、誰もが不安を抱いているだろう。
知り合いのアナリストに聞くと「日経平均は二万円手前まで」「原油は40ドル台まで」と相変わらずの占いっぷりであった。
原油先物取組高(株の売買予約量みたいなもの)二兆円分も減っている、ということは原油需要そのものの需要が減っているとか、OPECの増産が、とか色々言うけれども、世界的に需要が減っているということなのだろう。少なくとも今の価格では。

この先は安くてもはや「原価割れなので作れず」で生産自身がストップするのか、それとも更に改良するなどして安く需要に応えるのかという選択肢になる。
金が史上最高値を更新しているが、投機マネーの動きというのは一般人にはすぐに分かりにくいけれど、実需レベルの統計だけを見ていると、何となく「全体の雰囲気」が分かってくるのでは、と最近思うようになった。

まだ世界から貧困は無くなっていないし、新興国後進国には必要なものも多いけれど、究極には「どこまでの商品を幾らで製造できるか」ということなのだろう。
GDPが限りなくゼロに近い人たちに対して商品を売るには最低でも現地での生産が必要だが、そのコストの限界が普及の限界ということだろうか。

経済は人が食べることがそもそもの目的という。
あるいは未来型の企業は無料に近い形で、後進国には物を提供できる仕組みができるかもしれない。
そんなための製造業とかを考えると楽しくなってくるのだった。

原油60ドル割れ、「40ドル台まで下落」の見方も
2014/12/12 9:49日本経済新聞 電子版
 ニューヨークの原油先物価格が終値で1バレル60ドルを割り込んだ。石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りショックが広がり、マネーが大量に流出している。直近5カ月間のマネーの流出額は総建玉からの推計で192億ドル分に達した。2008年秋のリーマン・ショック後も12月に30ドル台前半を付けた。今回も「40ドル台まで下げないと収まらない」との見方が出始めている。


 原油先物市場でマネーの目安になる取組高(とりくみだか)が急減している。取組高とは市場に残る売りと買いの総建玉のことで先物市場の人気を測るバロメーターとされる。12月2日時点の原油先物取組高は143万9654枚。7月上旬のピーク比で約32万枚(18%)減っている。原油1枚は1000バレルに相当する。1バレル60ドルで計算すると、この5カ月間で192億ドル分のマネーが原油市場から流出した計算になる。
 原油市場から逃げ出したマネーはどこに向かっているのか。外国為替市場でのドル相場の上昇が示すように、大半が米国景気の回復をにらんでドル建て資産に向かっている。ニューヨークの株式相場は過去最高値水準にあり、米国債も10年債の利回りは2.5%を下回る低水準にある。
 では一体、このマネーの流出はいつまで続くのか。一つのメドとして考えられるのが、リーマン・ショックが起きた08年の動きだ。この年のニューヨーク原油は7月に過去最高値の140ドル台後半を付けた後は下落の一途。結局下げ止まったのは12月の30ドル台前半だった。
 原油市場は株式や債券に比べて市場規模が大幅に小さく、マネーによる相場の振幅が大きい。08年のマネー流出も「プールからクジラが飛び出た」と形容されたが、まさに今回もクジラがいなくなった後のプールのように相場の水位が極端に下がっている。市場では50ドル割れを予想する声も出始めている。
 ただ、OPECが減産を見送る中で焦点になっているシェールオイルの油田リグ(掘削装置)には天井感も台頭してきた。米石油サービス会社によると、12月5日時点の全米稼働油田リグは1575と、直近のピークの10月10日から34(2%)減った。
 現地ではシェール関連機材の発注も減り始めている。市場では来年1〜3月には生産にも頭打ち感が出ると見る向きが多い。08年と同様、相場は年明けに落ち着きを取り戻すだろう。
編集委員 浜部貴司)