藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

忍び寄る影。


日本国債の入札不調。
これまで生きて来た半世紀で経済とか他国の戦争とかを幾度か目の当たりしてきた。
特に最近のリーマンショックとかその前のバブルの崩壊ですら「それはある日突然に」という感じで事前に準備などなにもできていなかった。
ただ目の前の現実に呆然としていただけだ。
バブル崩壊の時は、特に起業して間がなかっただけに「世の中に不景気ってこれほど広がるものなのか」と不安よりも驚きの気持ちが強かったのを思い出す。

日銀が禁じ手とされる国債の買い入れを事実上始め、また異次元緩和などという面妖な表現も日々の新聞に載らない日はない。
借金大国と言われつつも、国民資産が1300兆円ある、とか言いつつ。
みんながどこかで「長くはもたないかもしれないな」と思ってはいながらの二十一世紀も十五年が過ぎた。
「オリンピックまではもつ」という人もいるがその後については口を閉ざす。
借金に倒れる会社を見るまでもなく、"撤退"というものがいかに難しいかを考えてしまう。
撤退する勇気、継続する勇気はどちらも重要だが「撤退のための力」を振り絞る方がより強い覚悟が必要ではないかと思う。
撤退し、敗戦処理気分のその後のことを考えると明るい気分ではいられないものだ。
もう利払いだけで毎年10兆円にもなる借財を跳ね除ける力は今の日本にはなく、経済成長というないものねだりの議論は終えて「大増税社会保障費のバランス」に本気で手を付けねばならない日が近いうちに来るのだろうと思う。
大事なのはその時になって実生活が破たんするような"帯域"に近づかないことである。
バブル崩壊の時も結局実生活はなくなるわけではなく、身の丈以上に財テクに走ったり、投資に勤しんでいた人たちが爆風を受けていた。
会社の経済活動としても過ぎた投資は当面慎重になった方がよいだろう。
バブルが失せる時には、実需の投資意欲も結構影響を受けるものだった。
本当に必要な投資について考えたいと思う。

入札不調で長期金利上昇 日銀緩和、市場の疑念広がる
2015/2/13 20:29
国債市場の不安定な動きが、円相場や株式相場を揺さぶっている。13日には5年物国債の入札不調をきっかけに、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時2カ月ぶり水準に急上昇し、円高・株安の主因となった。金利低下の主因となってきた日銀の金融緩和に対し市場の疑念が広がっていることがある。
 財務省が13日実施した5年債入札は金融機関の応札額が2013年4月以来の少なさで、需要の乏しい不調な結果と受け止められた。直後の債券市場では国債売りが広がり、長期金利は一時前日比0.035%高い0.435%に上昇した。
 長期金利は1月20日に過去最低の0.195%をつけた後、反転上昇している。日銀による追加緩和観測が後退したことで、金融機関が国債保有に及び腰となり、金利上昇になお歯止めがかかっていない。野村証券の松沢中氏は「国内投資家が国債だけでなく外債も手放し、海外金利の上昇に波及するリスクも出てきた」と警戒する。
 債券市場の不安は、他の市場にも影響を及ぼしている。13日には金利急騰後、円相場が1ドル=118円90銭前後から50銭程度円高・ドル安の方向に振れ、日経平均株価も下げ幅を広げる場面があった。「金利上昇は日銀の緩和効果への疑念を呼ぶ。追加緩和も当面なさそうで、緩和期待の円安シナリオが揺らいでいる」(三菱東京UFJ銀行の内田稔氏)という。
 円相場は12日にも「日銀の追加緩和が景気に逆効果」との一部報道で、120円台から118円台に急騰した。ほぼ1カ月ぶりの120円台に乗せたところだったが、円安再開に冷や水を浴びせられた格好だ。