藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

参加の態度を。

ツタヤの図書館や書店の経営方式がベストかというと賛否あるだろうけれど、市中の書店や神田の総合書店を見てもそれほど変わった特徴は感じられない。
限定的な店舗の中で、子供や学生社会人向けに、カフェや音楽設備などを織り交ぜている空間づくりはおよそ行政だけでは出てこないものだと思う。
住民投票で反対をするのは民意だが、誰も経費の使い方を云々するばかりで対案がない。

別に丸善でも東京書店でも、また他の文化施設や民間企業とでも協同して新しいものを作ろうという発想が非常に乏しいように思う。
安保法案の時も原発も「まず反対」といった空気が、国によって押し切られてゆく構図はどうにも厭世的な感じがしないだろうか。
芸術や文化や娯楽の提供者が自由に提案できる機会を広く持つべきではないかと思う。
ツタヤの試みは最初の一石なのに違いない。
ただ否定しておいて、結局モサモサした暗い人影のまばらな図書館になるよりも、どんな品揃えで、どんな分野と複合して共存できるのか、どんな空間の利用方法があるのかを広く募るシステムをとるべきだと思う。
市民会館とか公民館とか三セクとか、これまで箱モノ行政はさんざん批判されてきた。

費用をかけて改装するのなら、よその町にはない居心地の地元施設を作って愛着の持てる楽しい街にしてゆく努力を行政は指揮しなければならないと思う。
自分の街づくりだから、年齢や嗜好の違う人の様々な意見が出され、だから地元住民が街づくりを真剣に考えるよい機会になる。
猫の額のような公園に小さな遊具を配した公園ばかり作っても、街の住み心地は変わらない。
住民は率先して地元の街づくりに参加すべきである。

「いかがなものか?」は結局リスクを取らない、老いた振る舞いではないだろうか。

「ツタヤ図書館」計画白紙に 愛知・小牧、市民と再協議ツタヤ図書館問題で朝日新聞の取材に応じる愛知県小牧市の山下史守朗市長=20日、市役所本庁舎
 「ツタヤ図書館」計画をめぐる住民投票で、反対多数となった愛知県小牧市は20日、レンタル大手「ツタヤ」を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)との契約を解消し、計画をいったん白紙に戻すと発表した。
 CCCと連携した図書館計画が各地で進む中、住民の反対による契約解消は全国で初めて。小牧市では4日の住民投票で反対が賛成を上回り、計画を推進してきた山下史守朗(しずお)市長が計画見直しを迫られていた。
 市長は20日、朝日新聞の取材に「住民投票の結果を真摯(しんし)に受け止める決断をした限りは当然の結果だ。いったん立ち止まって検証するなら契約を続けることはできない」と話した。
 市長は駅前活性化を念頭に「単なる図書館でにぎわい創出は難しい。民間活力導入で魅力ある施設を」とし、ツタヤ図書館計画を決定。CCCなどとアドバイザリー業務契約、名古屋の業者と基本設計業務契約を結び、来年度着工、2018年度初めの開館を目指していた。
 市はこうした契約を全て解消し、計画をいったん白紙に戻した上で、市議会や市民と協議し計画を再検討する方針。ただ、市長は「現在のプランを捨て一から作り直すことではない」とも述べ、協議する中でCCCとの連携が再浮上する可能性もあるとした。
 CCCの担当者は20日、朝日新聞の電話取材に「市の方針を見守りたい。計画中の他のツタヤ図書館に影響は全くない」と答えた。
 42億円をかけ書店やカフェなどを併設する小牧市の計画では、巨額の建設費用やCCCを指定管理者とする選書のあり方などを問題視した一部の住民から反対運動が起き、住民投票となった。CCCとの連携は、13年に佐賀県武雄市で初めて図書館が開館し、今年10月には神奈川県海老名市にもできた。18年度までに宮城県多賀城市岡山県高梁市など4カ所で計画されている。