藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

宴の後。

大の大人がそろいもそろって株価や為替や先物の乱高下に汲々としている。
先進国も新興国も、みな自国の通貨を発行し中央銀行が発行量や市中金利を決める。
輸出入の関係で自国通貨の上下の思惑は錯綜するし、またどんどんお金を刷ってどんどん運用に回せば、実需とかい離していずれは「通貨の価値」がどこかで破たんするだろうことは想像に難くない。

自分は学生時代、オイルショックもあり「化石燃料は枯渇する」と教えられて、「えらいこっちゃ。世界の経済は停滞する」と真剣に思っていたが、今のように原油生産のチキンレースが起こるとは想像だにしなかった。

実需とお金の関係性が崩れたのは、遡れば多分ニクソンショックアメリカがドルの金本位制を止めた時にあると思うが(聞いたとたんに「これはおかしいぞ!」と直感したものだ)そこから紆余曲折を経て、今の国際マーケットにつながっているのだと思う。

金融市場の暴走、と一言で言ってしまえばた易いけれど、一旦膨張し切った市場が「実需のサイズ」にまで収縮するのは相当な混乱を伴いそうである。
(もう既得権益のように「そこ」で生きている人もあまりに多いから)

大戦後に世界規模で構築されてきた、壮大な「国際金融市場モデル」が一旦リセットされる場面にどうやら自分たちは立ち合いそうな気がするけれど、重要なのはそんな「モデル市場」が全くリアルで実体のあるものだと本気で思い込んで多くの人が「乗っかっていた」ことだと思う。

結局その時代の常識は真ならず、ということで時代の変化についていけないことも問題だが、時代の流行にホイホイと乗っかってサーフィンしていると、どこかで根本からひっくり返ってしまうということが戦後の一番大きな教訓なのではないだろうか。

賢くなるには頭を打って一つ一つ勉強するしかないけれど、誰もが熱狂していたマネー経済そのものがバブルだったことに気付いて、早くリアル思考の社会に切り替えるべきだと思っている。
いくらネット社会だと言っても"実需の世界に何倍ものテコが効く"なんてのはあり得ないと正気に戻らねばならないだろう。