藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

心の自立。


日経より。
『幸福な家庭は同じようなものだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である』
さすがトルストイ

「仕事の成功は同じようなものだが、失敗はその数だけある。」とか
「恋愛の成就は同じようなものだが、破局はそれぞれだ。」とか。
ある種の鉄則だろうか。
いろいろと応用できそうである。
そして思う。

自分たちはよく成功談に興味を持ち、著作とか講演とかを聞き漁る。
けれど人の成功談を聞いて成功のヒントを掴んだ、という話はあまり聞かない。

多分「成功談」には成功の秘訣はないのではないか。

もっと言えば「成功談からの訣別」こそが必要なのじゃないだろうか。
成功談とか、商売のコツとか、そのコツを「手に入れること」を考えているうちは、実は結果が出ない。

そういう「これこそが」というものから離れることが、実は結果を出す近道なのだろうと最近思う。

自分の本棚に並ぶ、数多の成功談とか、ビジネス書たちはそのまま自分の迷いを写しているようだ。
成功はそれを追いかけたら遠ざかる。
離れたら、ひょっとしたら不意に訪れるのではないだろうか。

世界株安、「家庭の不幸」はそれぞれに  編集委員 滝田洋一
2016/2/10 6:30
日本経済新聞 電子版
 幸福な家庭は同じようなものだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である。トルストイの「アンナ・カレーニナ」の有名な書き出しである。

 日銀のマイナス金利政策を帳消しにするような、2月に入ってのグローバルな金融動乱は、この言葉を想起させる。日米欧株安の株安には、世界経済の先行き不透明感という共通の事情もさることながら、各市場固有の下げ材料が見逃せない。

■追い詰められた欧州銀


ドイツ銀行株は8日、リーマン危機後の安値を更新した(フランクフルトのドイツ銀行本店)=ロイター
ドイツ銀行株は8日、リーマン危機後の安値を更新した(フランクフルトのドイツ銀行本店)=ロイター

 英紙「フィナンシャル・タイムズ」が喝破したように、8日からの世界株安の引き金を引いたのは銀行株の下落。なかでもドイツを代表するドイツ銀行株はたった1日で約1割も下げ、リーマン・ショック後の安値を更新した。

 大幅な赤字決算に陥ったドイツ銀の普通株はすでに無配に転落している。それに加えて、ハイブリッド債の利払いを危ぶむ声が市場に広まり、ドイツ銀は「2016年については10億ユーロの支払い原資を用意した」と火消しに大わらわだ。ドイツ銀ほどではなくとも、欧州の金融機関の株式は総じて下げている。

 欧州中央銀行(ECB)をはじめマイナス金利政策が広がるなか、欧州の銀行にとって利ザヤの稼げる確定利回り資産が先細りになっている。欧州銀は土俵際に追い詰められている。


筆者が注目した記事
・2月9日 日経電子版「NY株ハイライト 歯止めなき売りの連鎖 エネルギー不安、成長株にも波及」
・2月9日 フィナンシャル・タイムズ「金融システムへの懸念集中を理由に、投資家が世界の銀行をたたく」
・2月8日 フィナンシャル・タイムズ(電子版)「ドイツ銀行、利払いへの懸念の払拭に躍起」


滝田洋一(たきた・よういち) 81年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ駐在などを経て95年経済部編集委員。07年論説副委員長。米州総局編集委員、論説副委員長兼編集委員を経て11年4月から編集委員。マクロ経済、金融を担当。08年度ボーン・上田国際記者賞受賞。
滝田洋一(たきた・よういち) 81年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ駐在などを経て95年経済部編集委員。07年論説副委員長。米州総局編集委員、論説副委員長兼編集委員を経て11年4月から編集委員。マクロ経済、金融を担当。08年度ボーン・上田国際記者賞受賞。

 そういえば、欧州銀のクレジット・デフォルト・スワップCDS)のプレミアム(保険料)は、1月29日から跳ね上がっている。日銀がマイナス金利に踏み出したことで、ECBがマイナス金利を拡大すると読んだからだろうか。

 米国の株安の根っこにあるのは、原油安に伴うエネルギー関連企業への不安感だろう。石油・天然ガス開発大手のチェサピーク・エナジーが、「債務再編へ法律事務所を雇った」などと伝わったからたまらない。

 会社側は「破産申請の計画はない」と否定したが、後の祭り。エネルギー関連株が売りの嵐に見舞われた。エネルギー関連の融資の焦げ付きが増えると見れば、金融株にも売りの連鎖が広がる。これが米国株安のメカニズムだ。

■3月決算期を控え襲う「円高・株安」の嵐


グローバルな金融動乱の背景は…
グローバルな金融動乱の背景は…

 10日の東京市場も引き続きこれら米欧の実勢悪を一手に引き受ける結果となった。日経平均株価は1万6000円を割った。投資家にとっての痛手は円に上昇圧力が集中したことだ。

 くせ者は米国の長期金利である。米景気がもたつき、金融市場も動揺していることから、3月の米利上げは雲散霧消したようだ。利上げシナリオの大幅後退を受けて、10年物米国債の流通利回りは1.7%台まで低下し、ドル安が進んでいる。

 ドル安の大波をユーロが円とともに分担して引き受けてくれればよい。ところが、そうは問屋が卸さない。ポルトガルやイタリアなど南欧の重債務国の国債が売り込まれるなか、投資資金はユーロには向かわない。

 かくて為替市場で円は上昇圧力を一手に引き受ける結果となっている。国際金融市場が揺らぐなか、円にばかり買い圧力が集中する構図は、08年のリーマン・ショック後を髣髴(ほうふつ)させる。しかも日銀はすでにマイナス金利のカードを切っている。3月決算期を控えて、一番嫌なときに「円高・株安」の嵐が襲ってきた。これが日本のお家の事情である。