藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

異端を作るコツ。

youtubeとyahoo動画もそうだが、例えば日本発の発明品が日の目を見ずに批判されることもしばしばある。
掃除ロボットのルンバも日本発だったらしいが、製品化の決定が出なかったとのこと。
後から四の五の言うのは簡単だが、現場の決断者は冷静に判断していたのだと思う。
思うに、イノベーションとはいうものの、実は「まともな選考基準」とか「常識的な見積もり」ではあり得ないものばかりじゃなかろうか。

だから普通は「そういうもの」は企画からプレゼンから製品化とか稟議とか、どこかの段階で"ボツ"になる。

産みの苦しみとはよく言うが、生まれてくる子は「異端児」ばかりでは予めそういう兆候があれば敬遠されるのも道理である。

産業界も政治家も、今盛んに「イノベーション」という言葉を口ににするけれど、そこら中にある「イノベーションのタネ」は片っ端から潰されているのだと思う。

発案した当人が情熱を持ち続けられなかった場合もあるだろうし、
理解してもらえずにボツになったり、
嫌われたり足を引っ張られたりしたものもあるだろう。
何か精子の受精の仕組みに似ているようだ。

偏狂で偏執的なくらいの執着が、何らかの理由で継続されて、また「時の運」も得て彗星の如く現れる。
そうして現れた英雄に対しては、九割がたの人たちが驚きと賛辞を送るのだ。

「成功するまで続けなさい」という言葉は励みになるようでいて、絶望ももたらすことがある。

イノベーションの正体というのはそうして「決して無駄には潰されない知恵」とも言えるのではないだろうか。

潰されてしまった跡には何も残らない。
「残ってこそ」を想像しながら案外柔軟に歩いて行くのが成功の秘訣ではないだろうか。