藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

すぐそこの科学。

風の今
地震予知はまだ難しそうだが、天気予報は相当精度が上がってきた。
まだ農作物や漁業が、「天気を予想して収穫を調整する」というまでにはなっていないが、"気象"がさらに科学されて人類が上手に利用する日はそんなに遠くないような気がする。

「今ある」雲や気圧群から数日先を予想することはある程度実現している。
それをもっと長期に、季節単位くらいで予測できれば気象被害も相当回避できるし、むしろ「天気を有利に」いろんなビジネスもできてくるだろう。

「雨の日には近くのカフェでシャンソンを聴きましょう。」なんて
事前にメッセージがもらえるようになるだろう。

少し長期で気象予測ができれば、魚や野菜の収穫量も相当安定するに違いない。

東京の築地では、今年は日本を縦断する台風のおかげで長らく「魚不足」が続いたが、予め分かっていればそれほどのこともない。
今一つの技術の進化で、「気象事情」は飛躍的に良くなりそうだ。

「晴れ男」とか「雨女」というロマンはなくなってしまうでしょうね。

アジアの気象ビジネス進化中 正確さに需要 ウェザーニューズ、航空機7000便に助言

 アジアで気象関連ビジネスが進化している。日本のウェザーニューズは衛星や地上設備による観測体制を各地に広げ、1日に支援する航空便は約7千に達する。米IBMは大量のデータと人工知能(AI)による分析で企業の情報需要を取り込もうとしている。豪雨などの気象リスクが高いうえ、航空や大規模工事といった気象の影響が大きい事業が急拡大していることに対応する。

アジア天候ビジネス リスクに「慈雨」
 豪雨や干ばつといった天候リスクの高いアジアで、予報や保険など天候関連ビジネスに注目が集まる。ウェザーニューズなど日系企業にも商機が広がっている。

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 「台湾沖の台風に引き続き注意が必要です」。中国国際航空や韓国の大韓航空、台湾のエバー航空などの気象情報担当者は日々、テレビ電話で解説を受ける。

 ウェザーニューズによるサービスの一場面だ。予報だけでなく、機体の性能やパイロットの経験も考慮した離着陸の可否を助言する。航路と燃油積載量の提案も請け負う。航空分野の顧客約30社のうち7割がアジア企業。支援便は1日7千便、予測対象の空港は約200に達する。

 アジアは航空旅客需要が伸びる一方、悪天候による遅延の改善や事故防止が課題となっていた。

 同社は各国の公表する気象情報や衛星の画像をもとに場所や時間ごとの詳細な情報を提供する。これに加え、独自の観測機器を置く空港や建設現場を増やしたり、スマートフォンスマホ)アプリで約4万人の住民から情報を集めたりして精度の向上を図っている。

 建設業も気象情報の需要が大きい。インドネシアの首都ジャカルタ。都市高速鉄道の建設現場では、ゼネコン担当者がウェザーニューズの大雨警報メールを見ながらコンクリート打設を前に気をもんでいた。定時メールは1日3回。警報の度合いが高まれば雨対策の実施や工事延期を決める。

 日本はアジアでいち早く気象衛星を飛ばし、1995年に民間企業の予報業務を解禁。このため日本企業はアジアの気象ビジネスで一日の長があるが、その代表格のウェザーニューズが警戒感を高めた動きがあった。

 気象情報大手の米ウェザー・カンパニー。航空会社の顧客を欧米や中東から韓国や中国にも広げている。その同社をIBMが今年初めに2千億円近くで買収したのだ。

 IBMは「ワトソン」で知られる高度なAI技術を駆使し、ウェザー・カンパニーの膨大なデータを分析して気象情報事業を育てる考えだ。

 ウェザー・カンパニーで航空向けの営業責任者を務めるマーク・ミラー氏は「IBMの経営資源を生かし、アジア太平洋に注力する」と語る。両社は高度な航空支援システムを開発するほか、アパレルや流通業者の生産計画や在庫管理にも気象情報を応用する。

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 アジアでは石油・ガスなど海洋資源の開発現場も気象情報へのニーズが大きい。オーストラリアの気象情報会社、オフショア・ウエザー・サービスは潮流や大気、風向きを多層的に分析した情報を提供している。

 アジアの新興国は欧米より自然災害リスクが高く、毎年のように異常気象も発生。気象リスクを抱えるビジネスが成長するなかで、正確な情報の価値は高まっている。

 予報以外の気象関連ビジネスも芽生える。ジャワ島東部ボジョネゴロ。9月上旬、灌漑(かんがい)設備に乏しく、干ばつになると米生産が打撃を受ける農村で、約40人が初めて耳にする保険商品の説明会に集まった。

 損保ジャパン日本興亜は2017年、地元保険会社ACAと組み、干ばつ被害向けの保険を発売する。掛け金は1口5万ルピア(約400円)。降雨が一定量を下回ると1口50万ルピアの保険金が支払われる仕組みだ。

 農家の保護・育成を急ぐインドネシア政府も新たな保険を歓迎した。気象リスクへの政府や企業の関心が高まれば、市場はさらに広がりそうだ。

(東京=渡辺禎央)