藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当のサービスとは。

宅配、ホテル、運送、あらゆる労働から「人」が撤退し始めている。
それはそうだ。
「もう自動販売機で十分にやれるな」と思う仕事にはあまり情はわかないだろう。

産業革命以降、人の仕事はどんどん合理化されてきたけれど、今も「最後のせめぎ合いの最中」にいるのかもしれない。

「やっぱり人に相手をしてもらいたい」という分野がどれほどあるだろうか。
下手に未熟な人間よりも機械で代替できるだろう、と思える部分もまだまだある。

でもそうやって「人間達の仕事」を改めて見てみると面白い。

機械やコンピュータでできないことって実はどれほどあるだろうか?
ということを考えさせてくれる。

機械や人工知能がこれほどの勢いで伸びてきたからこそ、自分たちは「そもそも人の仕事はなんだ」ということを再考させられている。
最高の自省の機会が与えられている時代だ、と思えば実にエキサイティングな気もする。

メカが発展を極めればこそ、対比して「人とは何か」を人間自身が考えなければならない。

人というのはなかなかに深い存在ではないだろうか。

日本型モデル見直し スーパー・外食・ホテル… 人手不足で限界に

 ヤマト運輸アマゾン・ドット・コムの当日配送から撤退する方針を固めた。人手不足の壁にぶつかっているのは宅配業界だけではない。これまで丁寧で行き届いたサービスを至上のものとしてきたサービスや小売り、外食などは、こうした「日本型」の事業モデルを見直す必要に迫られている。

ルミネは4月から営業時間を短縮(東京都新宿区の店舗)

 西友は今月4日からネットスーパーの再配達サービスを実質的に有料にした。利用者の都合で指定時間に受け渡しできなかった場合、クレジットカードなどの決済時に手数料として税別400円を上乗せする。

 イオンの岡田元也社長は「従来のサービスができなくなったら、やめるか値上げするか。サービスが過剰になれば、その企業は倒れる」と話す。需要に合わせてサービス水準と価格を設定すべきだと指摘する。

 必要な人手が確保できず、営業時間を短縮する例も相次いでいる。ルミネは4月から旗艦店である新宿店(東京・新宿)など、全店の約8割にあたる12店で閉店時間を30分早めた。

 人手不足に悩むテナントの従業員の負担を軽くする狙い。営業時間の大幅見直しは同社で初めてという。

 セブン&アイ・フードシステムズの「デニーズ」も店員の接客サービスを改め、機械でドリンク約50種類を提供するセルフサービスのドリンクバーを導入する。ホテルオークラ東京も従来は対面で手掛けてきた外貨の両替サービスを機械に切り替えた。

 日本の非製造業は労働生産性が他の先進国よりも低い。消費者の好みにできるだけ応じているのに、高い質を誇るサービスの対価が低く設定されていることが一因との指摘は多い。

 しかも、少子化を背景に担い手が不足し、賃金を引き上げないと従業員が集められなくなってきた。求人情報大手のエン・ジャパンがまとめる派遣社員の募集時平均時給は営業・販売・サービス系の職種は17年2月まで18カ月連続で前年水準を上回った。時給を引き上げても人手が確保できない状況が続いている。

 人手不足で今までのようなサービス水準が維持できなくなる可能性が高い。当然と思い込んでいたサービスに対する要求の高さについて、日本の消費者が考え直す契機ともなりそうだ。