藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

化学変化を起こすこと。


出口さんのコラムより。

その言説の魅力は飾らない表現とともに、その正鵠を得た鋭さにあると思う。
出口さんの勧める世界史の本は是非手に取ってみるといい。

教養とは、単なる知識の集積ではない。知識と知識を組み合わせ、応用しながら自分の意見を組み立てあげる力のことだ。

「応用しながら自分の意見を組み立て上げる力」。
これだ。
最近自分はよく「知っていること」と「自分の意見」との違いについて考える。
「こんなこと知っているだけじゃないか」というのは実につまらない。
けれど「私は実はこう思う」と言う意見は貴重なものだ。

増税はするべきか否か。」という問いに「こういう説がある」とか「財源が足りないから」とかいうニュースのツギハギでは意味がない。

「知識を組み合わせ」て、自分の意見を作り上げる。
多分それを「教養」というのだろう。

自分にはどれだけの教養があるのか。
ひょっとして知識ばっかりが並んでいないか。
どこまでが知識で、それが「思考」とか「教養」になるのはどの辺だろうか。
そんなことを考えながら、いろんな知識に触れるのはとっても楽しい。

「明日死ぬと思って生きよ。永遠に生きると思って学べ」

ひえぇ。

脱「メシ・フロ・ネル」 生産性上げる「人・本・旅」 ライフネット生命保険創業者 出口治明
 ビジネスパーソンに今、最も必要とされる能力は何か。そう問われたなら、僕は迷わず「考える力」と答える。言い換えれば教養を身につけること。教養とは、単なる知識の集積ではない。知識と知識を組み合わせ、応用しながら自分の意見を組み立てあげる力のことだ。高価な食材を集めても料理の腕がなければおいしい食事にはありつけないように、考える力がなければ知識は教養たりえない。

 なぜビジネスに教養が必要なのか。それは日本経済が、労働集約型の工場モデルから、サービス業中心の産業構造に転換したからだ。組織や上司に忠誠を誓い、残業をいとわず働き続ければ結果も評価もついてくる工場モデルの時代はとっくに過ぎ去った。自分の頭を使って考え、斬新なアイデアを生み出し、イノベーションを起こす力が働き手に求められている。

 イノベーションは知識と知識の組み合わせによって生まれるが、自分の仕事に関する知識同士を組み合わせるだけでは、大きなインパクトは持ち得ない。自分の分野を深掘りしつつ、なるべく遠いジャンルの知識や時空を隔てたところで見いだされた知恵を取り入れることで、オリジナリティーは強化され素晴らしいアイデアとなる。日々顔を突き合わせている同僚と飲みに行き、24時間議論したとしてもイノベーションは起こせない。遠いフィールドで得た気づきが豊かな発想を促し、生産性を高めるトリガーとなりうるのだ。

 その実現のためには、働き方改革が不可欠だ。長時間働き、家と職場を往復するだけの「メシ・フロ・ネル」の生活を、「人・本・旅」の暮らしに切り替えなくてはならない。仕事では知り合うことのない様々な人に会い、いろいろな本を読み、興味を持った場所にどんどん出かけていく。脳を刺激し続けることで、考える力も磨かれていく。

 大手生保に勤務時代、ロンドンで現地法人社長を務め、欧米企業のトップリーダーたちと接した。彼らの多くは博士や修士の学位を持ち、働きながらも貪欲に学び続けていた。その教養の高さには、とても歯が立たないと思った。残念ながら、世界標準と日本との間には大きな差がある。「明日死ぬと思って生きよ。永遠に生きると思って学べ」とはマハトマ・ガンジーの言葉。成長意欲を持って学び続けることこそ、いつの時代にあっても人間にとって最も大切なことだろう。