藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

目の前のこと以外の視野。

なぜ働いているのか。

例えば「一円でも儲ける」ということを目的にしていたら、「なぜ儲けたいのか」という問いにたどり着くのは時間がかかりそうだ。

事業を始めても「事業を大きくする」とか「分野を広げる」ということが目的になっていたら「そもそも何を目指していたか」は見えなくなる。

悪事だってそうではないか。
「悪事を働くこと」が当初の目的ではないはずだ。
けれど、お金を狙って悪事を働くうちに、もう「悪事」しか対象に見えなくなってくるのではないか。

それほど「目先のこと」って恐ろしい。
「会社を黒字にしなきゃ」というプレッシャーは大変なものである。

「なぜ黒字化が必要なのか」を考える余裕などないだろう。

事業も、生きていく上での人間関係とか、自分のやりたいこととかも。
『そもそも何だっけ?』という視点を忘れた途端に迷走するということだ。

戦国時代の訓話に「処刑される侍に"刎ねられた己の首を転がしてみよ"」と命じて、無事「当人の恨みを逸らした」という話があった。
何か一つ、目の前のものを見てしまうと「周囲が見えなくなる」のが自分たちだ。

「なぜこれが必要なのか(why?)」は常に考えないと周囲の波にあっという間に飲まれそうだ。