藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ゲームとしての政治。(2)

*[次の世代に]
アメリカの政治の原理は、日本ではもっと分かりやすい。
争点がより少ないからだ。
 
今現在、消費税は凍結、衆参同時選挙で、その後米国に貿易条約で日本がとっちめられる、と言われている。
これに反応する「票田の対象」は
・まずは農業、製造業、小売、サービス(医師など)などの「業界の人たち」。
・そして社会保障費削減の影響を受ける「高齢者層」。特に最大数の団塊の人たち。
・反対に、段階に比べて黙殺されている18歳から二十代の「若者たち」。
・シングルマザーや病気や非正規雇用などの「困窮している人たち」。
・災害対策に関心の高い地域の人たち。
・大都市圏以外にいる、地方都市や過疎地域に住む人たち。
あとは原発のことや沖縄の基地問題なんかが争点になりやすい。
日本でも同様、「そうしたカテゴリーの人たち」ごとに政治家は懸命に何かを訴えている。
本当の国策を考える政治家は世界中からいなくなってしまったのだろうか。
それとも最初からいないのだろうか。
それとも戦後にはいたけど、みんな保身に走って今のような「票にらみ」だけになってしまったのだろうか。
戦後の日本とアメリカの「密約集(全部米国から公開されて日本に知らされている)」を見ていると、国民は全く意思決定の主役ではない。
(アメリカとの関係は、全部憲法以外のところで決まっているらしい)
「政策ありき。痛みがあってもこれをやる」という政治家が出てこないのは、実は自分たち国民のせいではないだろうか。

安倍1強とかポピュリズム政治、とか言っているが、それを各論では「うちに利益を」とか「働き方改革」とか言って煽っているのはメディアと他ならぬ我われではないのだろうか。

 
選挙で「地区や業界や世代」の"まだらなパズル"を支配するためには、その「パズルのピースごと」に好い顔をして落としていくしかないだろう。
そんな風に政治家を踊らせずに「しっかりと国の行く末を考えてくれよ」と言える国民の意識が一番必要なのだと思えて仕方ない。
「自分たちの利益代表」を選ぶ政治の政治のスタイルは、早く終わりにしなければならないのではないだろうか。
 
 
 
バイデン氏、若者の支持獲得に苦戦
2019年5月28日 7:00
2020年の米大統領選に出馬表明したバイデン前副大統領が5月中旬、ニューハンプシャー州南部の小都市ナシュアで演説を終えると、1人の若い女性が鋭い質問をした。同州での遊説はバイデン氏が選挙運動を開始してから初めてだ。彼女はバイデン氏が上院議員時代に強力に支持した包括犯罪防止法の成立でアフリカ系米国人社会が傷ついたが、彼らをどう救済するつもりなのか、と尋ねた。
バイデン氏の選挙集会には若い有権者が少ないとの声もある=ロイター
「それは小論文の課題になるような良い質問だね」とバイデン氏は質問したキャサリン・エムリー氏に返した。「犯罪防止法のおかげで(アフリカ系米国人が)大量に収監されたという見方があるが、法律が原因で大量の収監者が出たということはない」。23歳のエムリー氏は、この答えに若者を見下す「上から目線」を感じたという。
1994年に成立したこの法律は、署名した当時のクリントン大統領でさえ大量の収監者を出す要因になったことを後に認めている。バイデン氏の答えは守りを意識しただけで具体的な政策がほとんどない「目くらましだ」とエムリー氏はこきおろした。
「私はこれからどういう政策をとるのか知りたかっただけなのに、彼は答えなかった」。彼女は個人宅で開かれたバイデン氏の集会に男兄弟のロデリックと出席したのだが、若い有権者は数えるほどだった。

アイオワ州ではサンダース氏が優勢

犯罪防止法の問題は民主党の大統領候補指名レースで一つの争点に浮上した。トランプ大統領の政策に対する懸念から大きな論点になっている人種的不平等の問題に関連するからだ。若い有権者が関心をもつテーマでもあるが、世論調査では76歳のバイデン氏は民主党のこの層の有権者を十分取り込めていない。
米政治専門サイトのリアル・クリア・ポリティクスがまとめた最近のいくつかの世論調査の平均によると、バイデン氏の支持率は約35%と、民主党の指名争いでは紛れもないトップにつけている。急進左派バーニー・サンダース氏は2位で約18%だ。とはいえ年齢別の支持率をみると、18歳から49歳の間の有権者ではバイデン氏のリードはわずかであり、18歳から35歳の有権者では差はさらに縮まる。
米広報コンサルティングのファイヤーハウス・ストラテジーズと情報分析会社オプティマスの共同世論調査では、20年に全米最初の予備選が行われるアイオワ州で、50歳未満の有権者のうちサンダース支持者は22%だったのに対し、バイデン支持者は17%だった。アイオワ州に続いて予備選が行われるニューハンプシャー州ではバイデン氏が25%と優位に立ったものの、その差はわずか3ポイントだった。
バイデン氏がこれまで選挙遊説したペンシルベニア州ピッツバーグサウスカロライナ州ニューハンプシャー州では、FT記者が目にしたところ、集まった支持者の年齢層は他のライバル候補より高い印象だった。
ナシュアの集会に参加した68歳のマイケル・テレシュコ氏は、若い有権者は他の候補にひきつけられているようだと話した。「私の子供たちはそれほどバイデン氏を支持したいとは思っていないだろう」
ナシュアの近隣2都市で開かれた2つの集会でも、ほとんどの出席者は中年またはそれ以上の年齢層だった。支持者で満員になったハンプトンの「コミュニティ・オーブン」レストランにいた57歳のジェフ・ブラウン氏は、若い有権者はもっと急進的な候補を望んでいると話した。「ジョーはどちらかというと中道派だが、若い人たちは中道でもかなり左寄りだ」

存在感増すミレニアルと下の世代

マンチェスター・コミュニティー・カレッジでの集会に参加した60歳のパトリシア・ドービン氏は、集会が夕方に開かれたにもかかわらず若い人が少ないのに驚いた。彼女は「若い人たちはもっと進歩的な考え方をするからなのかも」とみていた。
だが、バイデン陣営で世論調査を担当するジョン・アンザローン氏はバイデン氏に問題があるという見方を気にしていない。米クイニピアック大学の最近の調査では50歳未満の民主党員のうち73%がバイデン氏に好感を持ち、これはサンダース氏に次いで2番目に高い数字だと言う。バイデン氏のペンシルベニア州フィラデルフィアでの演説会には多くの若い人が訪れたとも述べた。
「確かにサンダース氏が調査ではリードしているが、バイデン氏が若者とも十分、渡り合えることは驚きだ。渡り合えるだけでなく、若者にとても好かれている」とアンザローン氏。学生を対象にしたある調査ではバイデン氏が支持率でトップになったという。
米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、Z世代やミレニアル世代と呼ばれる1980年以降に生まれた米国人は2020年には全有権者の37%を占め、16年の31%から上昇すると見込みだ。一方、ベビーブーム世代やその上の世代の比率は44%から37%に低下する。Z世代やミレニアル世代は上の世代より民主党を支持する比率が高いため、民主党の予備選ではこの比率の変化が数字以上に影響するとみられる。
とはいえ、たとえ民主党の支持基盤が若返っても、実際に投票所に出向くのは年配世代の方が多いと強調する専門家もいる。ベテランの政治アナリスト、チャーリー・クック氏は、16年の大統領選で民主党に投票した有権者の60%が45歳以上だったが、20年の選挙でもほぼ同じ結果になるだろうとみる。

活発に発言し始めた若い世代

「バイデン陣営はきっと今の米国を映し出すような政治集会にしたいと思っているだろうが、彼はすでに断トツで優位な位置にいるというのが実態だ」とクック氏は述べた。
もっとも、環境問題や人種的・社会的不平等などの多くの問題に触発されて若い有権者は以前より活発に発言するようになっているという見方もある。ニューハンプシャー州民主党の青年組織を束ねるルーカス・メイヤー氏は、16年の大統領選では同州の若い有権者の存在感が他のどの州よりも大きかったという。
「選挙運動をするたびに、20年には私たちの世代が有権者として最大のグループになることを感じる。多くの候補者が若い人の声に真剣に耳を傾けようとしているのには勇気づけられる」とメイヤー氏は語った。
若者を動員してクリーンな環境政策を推し進めようとしている政治活動団体「ネクストジェンアメリカ」で若年世代担当のベン・ウェッセル氏は、ニューハンプシャー州の若い有権者は「保守的になりがちな年配者」より大きな影響力をもつと断言した。
12年にバラク・オバマ氏を勝たせるためにニューハンプシャー州の若者の票のとりまとめに奔走したウェッセル氏は、バイデン陣営も若い有権者を取り込むことに全力を尽くすべきだと理解しているという。バイデン氏がエムリー氏のような若い有権者と今後どう向き合ってゆくかが極めて重要になると述べた。
「バイデン氏はこれから全米中で(エムリー氏のような)若い有権者と対峙することになる。若者への対応が変わるかどうか、すぐにわかるだろう」とウェッセル氏は言う。若い有権者は「自分たちと真剣に関わろうとする候補なのか、笑ってごまかすだけの候補なのかを厳しく区別するだろう」
By Demetri Sevastopulo
(2019年5月26日 付 英フィナンシャル・タイムズ電子版 https://www.ft.com/
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