*[リベラルアーツ]教養を面白く。
ネットのおかげで「知っているか知らないか」ということには最早あまり価値がないと言われて久しい。
けれどユダヤ教とキリスト教とイスラム教は同根で、それはセム語を話す人たちの信仰する"一神教"が基になっていて、さらにその起源は最古のゾロアスター教にあり、一方日本の神道の歴史は自然を崇拝した八百万の神であり…
とこんな話を読んで、自分の知識の偏りがどれほど酷いものかを思い知る。
著者の出口さんは語り口の面白いことで有名だが、それにしても「全史」というだけあってどこを読んでも「へぇー」「そうなの?」の連続である。
まるで学校の名物先生の講義を聞いている様で、この本が教科書だったら自分も歴史や哲学に興味を持てただろうと思った。
教科書や参考書には「多分この辺の記録はウソですよ」なんて決して書いてないし。
「聖書は後から書かれた記録ですから」なんて実に痛快な解説にあふれている。
面白いのが最大の特徴だ。