藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

今を過去に(1)

*[ウェブ進化論]贈らない言葉。

この時期になると、ラジオなどでお決まりのように「二十歳の頃に戻りたいですか?」「新成人に一言メッセージを」というのをよく見かける。

自分たちが若い人を見て、反射的にまぶしくうらやましいのは、ただただその"若さ"についてであって、本当にその頃に戻りたいのかどうかと言われるといつも考え込んでしまう。

 

若いころに戻るとしても、自分の今の経験と記憶やらを持ち込めるはずもなく、だったら「大体そんな風な道のりをもう一度たどるだけ」なのでまるで意味がないというものだ。

もう一度ダラダラと過ごしてみて「ほら、やっぱりね」というはいかにも虚しい感じがする。

こんなことをここに書いているのも、そもそもは「若いころの自分に行っておきたいこと」というのが書き始めで、けれどそれはもう叶わないから今の若い人へ向けて書いているのだった。

 

だから新成人へのメッセージは「大人たちの言うことを信じるな」というジョークのような言葉くらいしか見つからない。

そしてやはり若者には「十年後の自分から今の自分を想像してみて」ということぐらいである。

 

コロナは不可抗力だったけれど「あれ、何してたのか思い出せない」というのはちょっともったいないのではないだろうか。