*[ウェブ進化論]正解は成功の陰に。
大型書店に並ぶ書籍を見ていて不思議に思う。
成功者の自伝を読んで成功した、という話は聞かない。
なのにこれほど「成功のエピソード」とか「イノベーションの研究」をしている人が多いのはなぜだろう。
それは「読者がいるから」だ。
yahooニュースを見ていても「成功のコツ」みたいな話題ばかりをクリックしている自分がいる。
けれどこれって「かなり意味のない行動である」ということにようやく気がついた。(苦笑)
「人と違うことをした」「逆張りにかけた」「成功するまで続けた」というのは、その成功者のごく一面に過ぎない。
つまり似たようなことをしていたけれど、うまく行かなかった人の「死屍累々について」は語られることはない。
千分の一とか一万分の一という稀な「たった一例の成功」を研究しても多分成功の要諦は分からない。
全体を研究するのなら、むしろ「うまく行かなかった99.9%」を研究する方が役に立つのではないだろうか。
そして何より「イノベーションを起こす」という表現が、すでに自己目的化してしまっている。
多分、イノベーションが起きたのは偶然で、そこに至るまでのこだわりとか、自分なりの信条こそが革新を引き起こしたのに違いない。
イノベーションは追いかける目的そのものではない。
つくづく、自分たちは「分かりやすい正解」に引き寄せられる生き物だけれど、実は「分かりにくい反対側」にヒントが埋もれていると思う。
"how to思考"に別れを告げよう。