藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ブログとその先

お気に入りアルファブロガーの中島さんが本を出した。
まだ発売前だけど。

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)

おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書)


で、執筆の際の様子がエントリーになっている。


ちなみに、この本を作る段階で編集の方と色々と相談したのは、「どうやってブログや月刊asciiのコラムよりも付加価値の高いものにするか」。


せっかく「書物」という形で出版するのだから、単にブログのエントリーを並べたり、月刊asciiのコラムを転載しただけでは、もったいない。


確かに。
特に章立てとか全体のバランス、などは「一つのテーマ」を取り上げるときは推敲などずい分大変だろうと思う。


何冊か読んだが、「ブログを並べた本」が意外なほど淡白なのも気になるところ。


で中島氏は言う。

ブログだと、断片的な情報をその場その場に応じて発信しているだけなのでなかなか「流れ」のようなものは作り出しにくいし、読み取りにくい。


それに対して、こんな形にすれば、バラバラの音符が合わさって一つの曲を作りだすかの様に、私からのメッセージがもっと明確に伝わるのではないか、と期待してのことだ。


と。

音符と曲

そこで今回試みたのは、一つのテーマを選び(本書の場合は「なぜ私がアップルこそがソニーの最大のライバルだと結論付けたか」)、そのテーマに関連するエントリーを選び出した上で、それに解説を加えて間を埋めることにより、それを通して読者が一つの「時代の流れ」のようなものが読み取れる様にする、というもの。


「テーマ」に関係するものを抽出して、紡ぐ。
一つひとつのエントリは「音符」。

そこから曲を作る。


一つひとつの音符がよく考えられ、美しいものなら、いい曲になるのだろう。


またその「曲」をいかに演奏するのだろうか。
演奏するのは読者である自分たちなのだろうか。


一つひとつのエントリが、何か交響曲の「主題」*1のような気がしてきた。


いつの日か自分にもそんな輪郭が見えるだろうか。

*1:古典派、ロマン派に多く楽曲を通じて繰り返し表現される数小説からなる旋律