藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

破たん懸念。

子供手当の額がどう、とか企業の減税が何パーセントとか、あまりに瑣末な議論のツケがいよいよ出てきた。
「歳出削減など進まず」とか「整合性欠く政策」など情けない見出しが続く新聞記事。
結局四年間で16兆円を生みだす、という大風呂敷は縮小し、「もうムリ」ということがいよいよ明らかになりつつある。

増税しかない。
そのためには数々の手当とか無料化とかは止めて、優遇税制も廃止。

国が本当に財政破たんする前に、さっさと意思表明したほうがいい、と思うのは一国民の目線でしかないのだろうか。
『誰もが言い出さないし、「それ」を現実に見たくないからリーダーが舵を切らない』という日本型のマネジメントは、今度ばかりは最大級の破たんを誘発し、「国民が最も行きたくない方向」へと向かっているように思える。
日本丸のことばかりでなく、そろそろ自分の身の回りのことも考えなければならない。


来年はそんな年になる予感がする。

民主公約、財源破綻 予算上積み6000億円どまり
子ども手当など政策見直し不可避
 

2011年度予算案で、民主党衆院選マニフェスト政権公約)主要政策の行き詰まりが鮮明になっている。無駄遣い削減などによる財源確保が難航し、10年度予算に比べた上積み額は6000億円程度にとどまり、予算規模は3.7兆円とマニフェストの計画の3分の1を下回る見通し。公約の破綻は明らかで、子ども手当や高速道路無料化などの公約政策は抜本見直しが避けられない。
 政府は予算案を24日に閣議決定する方針。18日までの調整で、公約政策の方向性が固まった。大別すると(1)おおむね公約に沿ったもの(2)予算規模を大幅に縮減するもの(3)公約達成の行方が見えないものの3通りある。

■歳出削減など進まず

 10年度に導入済みの高校の実質無償化と、11年度予算で約8000億円規模に増やす農家の戸別所得補償制度は大筋で公約に沿った。子ども手当や雇用対策は予算規模を計画より縮める。子ども手当は11年度から満額の月2万6000円の支給を始める計画だったが、3歳未満のみ月2万円への上乗せにとどめる。

 12年度完全実施を目指していた高速道路無料化は11年度も一部区間のみで、規模拡大を認めない。揮発油税軽油引取税などに上乗せしている旧暫定税率も公約した廃止を見送り、達成の見込みはほぼなくなっている。

 公約が行き詰まったのは新規政策の前提である財源確保ができなかったためだ。

 マニフェストは歳出削減や埋蔵金発掘、増税などで4年間で16.8兆円確保すると明記していた。その計画では10年度予算で7.1兆円、11年度に12.6兆円に達するはずだったが、現実の10年度予算は概算要求のやり直しなどで3兆円強ひねり出しただけ。11年度予算の上積み額は6000億円程度となり、マニフェストの計画とのズレは大きくなる一方だ。


 歳出削減に向けた事業仕分けや、公約に盛り込んでいた所得税配偶者控除廃止などには民主党自身が反発し、財務省は「16.8兆円が出るというマニフェストの前提が崩れている」(桜井充副大臣)とみている。

■整合性欠く政策

 問題は政府・与党がマニフェストをあきらめると明言していない点だ。政府が16日に閣議決定した予算編成の基本方針では重視する分野として、新成長戦略とマニフェスト主要事項を併記した。法人税率下げや基礎年金の国庫負担2分の1維持などマニフェストで想定していなかった政策の財源探しに奔走する一方で、子ども手当も小幅上積みを目指すなど政策の方向性が見えない。

 家計重視のバラマキ型マニフェストと企業活力重視の新成長戦略のどっちつかずの状況に陥っている。野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストは「政策の整合性を取らずに財源を確保して、少しだけマニフェストを前進させるという帳尻あわせの予算編成になっている」と指摘する。

 菅直人首相は9月の民主党代表選でマニフェストについて「財源の制約などで実現が困難な場合は、国民に率直に説明し理解を求める」と宣言した。首相が主導してマニフェスト政策を見直す必要がある。