藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当のリーダーシップ

オバマ共産主義者だ。』とは、れっきとしたアメリカ国民から聞いた一言。
そんな風に感じる米国民も多いのだろうけれど、それにしても就任以来大したリーダーシップではないだろうか。
白髪が増えて疲れ、人気もない、と揶揄する人は多いが、ではブッシュ時代に戦争を始めた後、誰が後継たれたのか?と考えると最適の人物だったのではないかと思う。

膨れる国家予算と福祉費。

日本も国家予算は90兆円を超え、福祉費がひたすら膨らみ、さらに円高が「これまでのビジネスモデル」を侵蝕する。
一方オバマ氏は10年間で3兆ドル(230兆円となっているが、まあ為替の効果を考慮して、300兆円くらいの感じだろう)の景気対策を施すという。

いよいよ、先進国は「一年分の国家予算とか、GDP」を考えながらも「国内の不均衡を是正」する方向に向いていかねばならない。
つまり"共産化"は避けられないだろう。

日本もアメリカもドイツも、これまでは"税率のコントロール"で政府の収入を管理し、またいろんなバイアスをかけることによって、「重点産業の発展」とか「雇用の促進」などを画策してきた。

もう右肩は上がらない

「全体が伸びている時」はバブル経済の時のように施策は簡単である。
"より大きな投資"が「より大きなリターンを呼ぶ」とひたすら唱えていればよかった。
「伸びるもの」は成功として扱われ、いくら成功しても後ろ暗いことなど微塵もない。

それが遂に「全体が縮む世界」の話になってしまう時代である。
富裕層の優遇税制とか、相続税の優遇、とかそういう「富の継承」を認めていては"全国民を飢えさせない"ということが出来なくなりつつあるのだ。
これは時代のエネルギーであり、決してある一国の引き起こした所作ではない。

アメリカは共産主義化している」というネイティヴ達の指摘は、まさにアメリカが最も新しい政策方針を取ろうとしているのではないかと思う。
これまでの「成功者は青天井で富を持つ」という時代は終わりをつげ、「一定以上の成功は分配される」というロジックが適用されるのだろう。


アメリカン・ドリーム、は今後またその意味するところを変えてゆくのではないだろうか。

10年間で3兆ドル超、米が新財政再建
【ワシントン=岡田章裕】オバマ米大統領は19日午前(日本時間同日深夜)、ホワイトハウスで演説し、10年間で3兆ドル(約230兆円)を超える新たな財政再建策を発表する。

 議会で1・5兆ドルの財政再建策をまとめる「超党派特別委員会」に対する提案という位置づけだ。金額の規模が議会側の2倍に及ぶのは、米経済のテコ入れ策にかける財源を確保するためにも財政再建を急ぐ必要があると判断したためだ。しかし、野党・共和党が強く反対する増税策が多く含まれており、議会審議の難航は必至だ。

 大統領提案のうち、増税策の一つは、ブッシュ前大統領が2000年代初めに導入した「ブッシュ減税」と呼ばれる所得税などの大型減税の部分的な打ち切りだ。世帯年収25万ドル(約2100万円)超の富裕層向けを打ち切り、8000億ドルの税収増を見込む。

(2011年9月19日19時24分 読売新聞)