藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

みんなの調和をいつ唱えるか。

中国が嫌いなわけではなし、お国柄でリアルな現実を語っても仕方ないけれど。
上海で築12年のマンションのベランダが崩落したという。
ベランダには鉄芯がなく、コンクリートで「貼り付けられた」状態だと伝えられている。

恐ろしや。
もう5-6年前のこと。
上海から蘇州へ向かう高速道路にマンホール大の穴がボコボコ空いている。
高速道路ゆえ、危険なことこの上ない。
一体何事かとドライバーに尋ねると一言「手抜き工事のせいで、アスファルトがスカスカになっているせいだ」という。
十分な成分を確保せず、砂利などで薄めているということらしい。

おもちゃや日用品ならともかく、インフラ工事で本格的な手抜きをされると、打つ手がない。
これは、中国の国民性ゆえ、といって片付ける問題でもないだろう。

「本当の発展」へ向けて、いよいよ中国にも何が必要なのか、が問われてきている証左ではないか。
この先、これまでのように「他者には目を向けない国」という国債評価が下るか、それとも「新興国のリーダーたる」か、は今後の中国の姿勢いかんだと思う。

実は、漢民族たる中華民国は、「それほど他人を出し抜かなくとも」優れた働きができるのだ、ということを、現政権はもっと声高に唱え、また国民の意識レベルを上げていくべきだと思う。

そういう「国家的アピール」こそが、為政者の最も大事な外交戦略ではないだろうか。
ともかく、これからの中国の良し悪しには注目してゆきたいと思う。

団地ベランダが突然崩落、女性転落死 中国・上海
 5日正午ごろ、中国上海で団地6階のベランダが突然崩落し、洗濯をしていた住人の女性(68)が転落死した。ベランダに十分な支えがなかったとみられ、団地住民は「ベランダが落ちるなんて聞いたことない。欠陥建築だ」と怒っている。

 現場は上海市長寧区の団地(6階建て)。男性住民によると、突然、ゴーンという地震のような地響きがし、外を見ると6階ベランダの床が90度下に向かって折れ曲がり、手すりや壁が地面に落ちていた。上海紙・東方早報によると、転落した女性は洗濯物のタオルを手にしたまま花壇に倒れていた。

 現場を見ると、壁と接合されていたコンクリートがはがれ落ち、支えとなる鉄の棒などは見あたらない。床の重みに耐えきれなかったとみられる。団地は築23年。同じタイプの1階下の部屋は約43平方メートル(実際の使用面積)だが、139万元(約1700万円)で売れたばかりだった。

 上海では2009年、建設中の13階建てマンションが突然根元から倒れる事故も起きており、建築構造や材料の質などが大きな問題となっている。(上海=奥寺淳)