藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

将来の予測。

少し年金の勉強をしてみたが、制度の設計には国力(人口とかGDPなど)の予測や、また数学的に高度な計算能力とか、そして何よりも、制度そのもののポリシーも重要であることを知る。
さらに財源をどこに求めるべきか、という税制の仕組みともかかわってくるとなると、そりゃあまあ「税と社会保障の一体改革」となってしまうわけなのはよく分かるけれど。


それにしても、昭和以降の年金設計の変遷を見てみると、どうにもお粗末。
優秀な官僚が考えたものとも思えず、いや部分的には優秀なのだろうけれどもあまりにも「グランドデザイン」がなさ過ぎると思わざるを得ず。
高度成長期に、すでに「世代間扶養」に切り替えるという大技を繰り出し、結局人口ピラミッドが「逆型」になりだしたら、もう制度そのものはガタガタで打つ手なしである。
"世代間扶養"のマジックはこれからの「世代間扶養不可能」の直接の原因となり、今の高齢化社会を直撃している。
もう詐欺的といってもいいくらい、どうしようもない。
まだ「積み立て型」で無理をしていたのなら、今のような増税論も、"自分たちで積み立てる自己責任"であるからして破たんは避けられる。
今の年金不信は「どうせ生活保護程度なのだろう、いやそれすらも保証されないんじゃないの?」という社会不信になっている。
これでは政治もうまくいかない。
どのような政策を出しても、国民の信頼を得られないからである。

与党も野党も、今こそ「国民を飢えさせない年金・税金プラン」を「統一的に整然と」示す時である。
税金が相当高かろうとも、"ビシッ"と将来像を示せば、日本人は理解を示さぬ民族ではない。
また生来、働かぬのに、村や国に対して「腹いっぱい食わせろ」などという慎みのない国民性でもない。
"命を投げ出すリーダーの指示"には、命がけで努力する武士道精神は失われていないと思うのである。

保険料納付10年で年金受給…厚労省案を提示
厚生労働省は、社会保障・税一体改革で基礎年金の受給資格を得られる最低加入期間を現行の25年から10年に短縮することに伴い、加入期間が短くて現在年金を支給されていない無年金者の救済策をまとめ、6日の社会保障審議会年金部会に提示した。
 10年以上保険料を納付していれば、25年に満たなくても納付期間に応じて年金を受給できる内容だ。

 生活に困窮している無年金者の救済が狙い。実現すれば現在約42万人の無年金者(65歳以上)のうち、約4割に年金が支給されることになる。2011年度の年金支給モデル額をもとに計算すると、保険料を20年納めていた場合は月額3万2875円、10年の場合は同1万6433円となる。

(2012年2月6日21時47分 読売新聞)