藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

ワインダイアリー。

ワインは、一説によると「頭で飲む酒」だそうだ。
確かに、今や世界十数カ国で製造され、また生産者もM&Aを繰り返したりして、そういった農業的、経済的な事情も分かっておかねば、ただ「果実実がありますね」程度の楽しみしかなくなってしまう。

そこで。ワインダイアリーいうスマホアプリがある。ワインのエチケットだけではなく、名前や造り手を全部項目別に記録しておこうというソフトである。


秀逸なのはワインのエチケットを撮影するカメラのモードがよく出来ていて、撮影したラベルが実にハレーションもせずよく映っていることだろうか。
アプリの開発者も、カメラ操作などにはずい分と気を使っているのにちがいないアプリである。

ボトルで飲んだワインは少なくとも記録するようにしているが、改めて「ワインを読む目」は難しい。

国別。
地方別。
村別。
畑別。
作り手別。
ネゴシアンテ別。
ワイナリーの経営別。

さらにブドウの種類。
ブレンドの割合。
そして、ブドウの収穫された時期。(ヴィンテージ)
そして、その後の製法別。("樽で五年"とか)

ざっと「10」以上の変数がかけ合わされて出来ているのがワインであり、そのいわば"謎解き"をしながら楽しむエスプリがフランス人には堪らなかったのではないだろうか。

翻って今の若い人はもう少し「ライト」な感覚である。
が、ワインの歴史はやはり奥が深いので学びたい。
ワインダイアリーのようなアプリは、そうした要求から出来上がってきたものなのだろう。
バーコード一発!で全てが読み込めるわけではなく、むしろワインの名前や、ブドウの種類や作り手などは、自分がラベルを読み解いて、いちいちキーボードから打ち込まねばならない。

しかし、そうして苦労した情報はクラウド化され、(おそらく長い間)ワインダイアリー社の中に保管され、自分たちのまさしく「ワインダイアリー」になってゆくのだろう。
こと「酒」に関しては、クラウドは非常に有り難いソフトウェアを人々にもたらしてくれているようである。