藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

本当の判断力を持つこと

yomirui onlineより。
今春卒業の学生さんの20/56、実に三人に一人が「中小企業には就職しない」という判断をしたという。

約20万人分の求人の多くは中小企業といい、根強い学生の大企業志向が、中小企業への就職に結びつかないミスマッチを引き起こしている実態が浮かび上がった。

内閣府は「中小企業の魅力が学生に伝わっていない」というが、恐らくその通り。
というか、「中小企業の魅力」が本当に「学生の魅力」になり得るのかどうか、が最大の問題だろう。

社内制度や福利厚生、年金や構内環境が整備されている、ということが「企業の魅力」という学生さんには、中小企業の本当の魅力は伝わりにくい。
また多くの中小企業は、「福利厚生面での大企業との比較」を引き合いに出され、あまりこの種の議論には積極的でもない。

往年のリクルート社が展開していたような、「就職のだいご味」をアピールするのなら、「わが社の魅力」とか「経営者の矜持」といったタイトルでもっと中小・ベンチャーの個性をアピールしてはどうかと思う。

特に、技術や商圏に強みを持つ日本の中小企業の多くは、あまり「対外的なアピール」に力を割いていない。

詰まるところ、「その若者が将来活躍できるかどうか」という観点で企業は選ばれねばならない。
会社の大小とか、報酬や福利厚生の多寡など、実は主な要因ではないことに、若者は早く気付くべきである。

こうした価値観の変化には、「気付いたものから得をする」という理屈が働くものである。
ぜひとも"旧"の物の見方を変えてみることを勧めたい。

根強い大企業志向…学生20万人、中小にソッポ
今春卒業した大学生約56万人について、同じ約56万人分の正社員の求人があったものの、約20万人が正社員として就職していなかったことが6日、内閣府の推計で分かった。
約20万人分の求人の多くは中小企業といい、根強い学生の大企業志向が、中小企業への就職に結びつかないミスマッチを引き起こしている実態が浮かび上がった。
推計は、6日に開かれた若者の雇用問題について政府や労使の代表らが議論する厚生労働省などの協議会で報告された。
内閣府によると、就職したのは約36万人で、就職しなかった約20万人の内訳は、未就職・未進学が9万人、大学院などへの進学が8万人、パート・アルバイトでの就職が2万人、不明が1万人。内閣府は、進学した8万人を除く12万人については、中小企業の魅力が学生に伝わっていない部分があるとしている。このため同協議会では、来年度から学生に地域の中小企業の求人を紹介するハローワークの非常勤職員を、全国50大学に常駐させる方針を確認した。