藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

法律とリアルの間で。

先日数人の古い友人と飲んでいて「離婚の際の財産分与」について話題になった。
「結婚後の財産はほとんど半分づつ」という点に皆仰天していた。

法律を知らないというのは、人生の「ある場面」では怖いことである。
それにしても。
普段から「税務署の目」と「ビジネスの目」が違うことには驚いていたけれど。
(それも自分で会社を始めるまではまったく知らなかった。当事者になってみないと真剣に考えていないこととというのはとても多いものである。)

夫婦で築いた共有財産は1/2づつだけれど、不動産の購入時には認められないという。

(4000万の物件を夫のお金で買い、共有名義で登記した場合)
 この場合、購入資金の半額(2000万円)は夫から妻への贈与と見なされ、贈与税の課税対象になります。「購入資金を夫が用意できたのは妻の内助の功があったから。事実上2人で築いた財産」と主張しても認められません。

離婚のときには適用される理屈が、税気には当てはまらない。
最近の判例の傾向から言えば「購入資金への貢献も妻の1/2の功績あり」と認めるべきだと思うが、まだそこまで税制の解釈が追い付いていないのだろう。

いずれにしても、「実感と現実のギャップ」とか「思い込みと実社会の意外な食い違い」については何か身の回りに変化のある時のは注意したいものである。

(家計 プロが答えます)家買ったら税務署から「お尋ね」が… 資金の出し手・名義、正直に 税理士 柴原一氏

2012/7/25付
日本経済新聞 朝刊
 自宅マンションを買ったら、税務署から「お尋ね」という郵便が来ました。こまごまと年収などの個人情報を聞く内容ですが、答えるべきですか?(東京都、女性、33歳)





 自宅を買うと、税務署から「お買いになった資産の買い入れ価額などについてのお尋ね」という文書が届くことがあります。買った人の職業や年収、購入時期や価格のほか、資金をどう用意したかなどを聞かれます。税務署には不動産の登記情報が伝わっており、なるべく期日を守って正直に、答えましょう。

 自宅の登記の名義と、購入資金の負担割合がずれている場合は注意が必要です。例えば夫婦で4000万円のマンションを購入したとします。名義は夫婦共有で50%ずつ登記したのに、頭金と住宅ローンは夫がすべて負担している事例がよくあります。妻は購入資金を全く出していないのに、名義は半分持っている状態になっているわけです。

 この場合、購入資金の半額(2000万円)は夫から妻への贈与と見なされ、贈与税の課税対象になります。「購入資金を夫が用意できたのは妻の内助の功があったから。事実上2人で築いた財産」と主張しても認められません。





 贈与税を払いたくないからと「資金は夫婦で折半した」とウソをつくとどうなるでしょうか。税務署は課税状況から夫婦の所得を調べることができます。もし妻が専業主婦か短時間のパート収入しかない場合、税務署は「妻は2000万円をどう手当てした?」と疑問に思うでしょう。

 「お尋ね」を返送後、税務署から改めて日を指定して「税務署に来て下さい」という通知が届くことになるでしょう。呼び出されて事情を聴かれ、ばれてしまいます。

 面倒を避けるには、一般に2つの方法があります。まず、購入資金の負担割合と、住宅の名義の割合をそろえて登記することです。夫が資金を全額出すなら、名義も夫が100%として登記すれば問題ありません。

 資金負担と違う割合で持ち分を登記するなら、ずれた分に当たる金額について夫婦間で「金銭消費貸借契約書」を作成し、実際に妻から夫に返済しましょう。