藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

市場の関心はよりソフト・コンテンツ。

アウトドア特化型のカメラGoProはついに今年上場したという。
技術に頼らずコンテンツを志向した見事な「ソフトの勝利」である。

一日平均6000本アップされた。
それらの動画が10億回以上再⽣されて、
再生時間は延べ5000万時間以上にもなる。

いつもそうだけど「成功者」の軌跡を分析しても決して「成功の方法」が見えてこない。
けれどその不屈の精神力とか、何か工夫の仕方とか、そんなものを少しでも学びたくてついつい注目してしまうのである。

「全く同じ形のネクスト」は決してないのだけれど。
それにしても「ソフトの時代」と言われ、また「ソフトも従量制ではなく定額の時代」といわれてしばらく経つが、Go Proのような新しいアプローチがまだまだあるということが最大の驚きであり、肝に銘じたい事実でもある。
携帯するカメラは「従者」であり、主演はアウトドアで「懸命に何かをする人」である。
いわば「いい人にカメラをつけた」ということが、これまで共有されることの少なかった「趣味の粋の世界」を動画で広く楽しませてくれる存在になったのである。

しかも「商業ベース」ではなく。
ウェブの進化とその醍醐味はつくづく”ここ”にあると思う。
爆発的な広がりと、自発参加型のコンテンツが掛け合わさったときに予想を超えた相乗効果が起こるのである。
これからのヒントにぜひ覚えておきたい。

2014/7/30 いま初めて語られるGoProの動画マーケティング戦略。その成功の理由に迫る。(瀧良太) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takiryota/20140730-00037784/ 1/11
瀧良太 | (株)LOCUS代表取締役/動画マーケティングコンサルタント
服やスポーツ⽤品などに装着して動画を撮影できるウェアラブル
カメラメーカー「GoPro」は、2002年に設⽴されたベンチャー企業
2011年に2億3420万ドルだった売上を、2013年には約9億8570万ド
ルにまで急成⻑させ、今年5⽉に上場しました。
そんな急成⻑を遂げた同社のマーケティング戦略の中で、YouTube
は⽋かせない存在だったようです。YouTubeが公開している、
YouTubeマーケティング成功事例集「YouTube Success Stories」に
掲載されているインタビュー動画の中で、同社マーケティングディレ
クターのLee Topar⽒は「(YouTubeでの)再⽣数が増えるにつれ
て、注⽂数がどんどん増えていくのを実感した」とコメントしていま
す。
製品だけに着⽬すると、GoProのデバイス⾃体は数⼗年前からある
CCDカメラと⼤きな違いはありません。ただ、数ある同業他社の中で
圧倒的な地位を確⽴することができた勝因に、“販促ツールを越えた
YouTubeの活⽤法”と、“⽤途の限定”という2つの要素がありまし
た。
カメラメーカーではなく、新しい“メディア”企業を⽬指す
GoPro
“販促ツール”としてではないYouTube活⽤が、GoProの爆発的な
成⻑を後押ししたきっかけとなりました。これまでGoProのマーケテ
ィング戦略はほとんど表に出てきませんでしたが、上場を機に公開さ
れた上場申請書から、その戦略の⼀端が明らかになりました。
GoProの申請書には、次のような記載がありました。
これまでの当社の売上の⼤半は、カメラやアクセサリーの売上
だった。当社のカメラはこれから今以上に普及し、そこから魅⼒2014/7/30 いま初めて語られるGoProの動画マーケティング戦略。その成功の理由に迫る。(瀧良太) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takiryota/20140730-00037784/ 3/11
だった。当社のカメラはこれから今以上に普及し、そこから魅⼒
的なコンテンツが次々に⽣まれると期待している。そうなれば
GoProは、製品が⽣み出すコンテンツを通して、みんなをワクワ
クさせられる今までにない“メディア企業”になるだろう。
GoProは他のYouTubeマーケティング成功企業のように、YouTube
というプラットフォームで製品⾃体のPRを⾏い、そこから直接コンバ
ージョンや売上につなげるやり⽅とは⼀線を画しています。
それまで収益の柱となる “製品”をいかにして売るかを考え、そこに
注⼒してきたGoProは、製品を通して⽣み出される“コンテン
ツ”と、“コンテンツが⼈々にもたらす価値”に⽬を向け始めたのです。
コンテンツを広めるための“流通経路”としてYouTube利⽤し、⾃らが
良質なコンテンツを⽣み出し続ける“メディア企業になる”ことを⽬指
していると⾔います。
GoProしか発信できないコンテンツを、YouTubeSNSなどの“流通
経路”を介して世の中に流すことで、カメラメーカーではなく“メディ
ア企業”になる――。動画というコミュニケーションツールの活⽤が、
同業他社や他の企業との⼤きな違いを⽣み、GoProを“唯⼀無⼆”の企
業へと後押ししました。
“メディア企業”としてのGoProの実⼒
では現在“メディア企業”として、GoProコンテンツに集まる注⽬は
どれほどのものなのか、申請書には次のように記されていました。2014/7/30 いま初めて語られるGoProの動画マーケティング戦略。その成功の理由に迫る。(瀧良太) - 個人 -

http://bylines.news.yahoo.co.jp/takiryota/20140730-00037784/ 4/11
どれほどのものなのか、申請書には次のように記されていました。
何千⼈というGoPro利⽤者が、写真・動画を毎⽇シェアしてい
る。そうしたコンテンツが認知されて興味を持ってくれる⼈が増
えるほど、GoProや製品に対する認知・興味も⾼まっていく。
2013年にYouTubeにアップロードされた動画のうち、GoPro
で撮影された動画の再⽣時間を集計すると、約2.8年分にもなっ
た。2014年1〜3⽉にも、タイトル・ファイル名・タグ・説明⽂
のどこかに『GoPro』と記載されている動画が1⽇平均6000本も
アップされた。それらの動画が10億回以上再⽣されて、再⽣時間
は延べ5000万時間以上にもなる。
YouTube以外にも、Facebookページには750万⼈が「いいね!」
し、Instagramには200万⼈、Tiwtterには100万⼈のフォロワーがい
るGoPro。そしてYouTube上での再⽣回数は4億5000万回を超え、
200万⼈以上のユーザーにチャンネル登録されています。
現在はコンテンツそのものを直接収益化させていませんが、今後は
コンテンツを活⽤し、広告やスポンサー収⼊から新たな売上を⽣み出
す計画も進められているそうです。
このように世界中のGoProファンが、GoProが⽣み出すコンテンツ
を⼼待ちにし、また⼀緒になってそこに参加していることが伺えま
す。
良質なコンテンツが⽣まれる理由“コンテンツ・クオリティ
コントロール
2009年に開設されたGoProのYouTubeチャンネルには、1500本以
上の動画が公開されています。
『世界⼀多才なカメラ。海の底から宇宙の果てまで、信じられない
ような瞬間をGoProで』をスローガンに掲げ、マウンテンバイクやス2014/7/30 いま初めて語られるGoProの動画マーケティング戦略。その成功の理由に迫る。(瀧良太) - 個人 - Yahoo!ニュース
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ような瞬間をGoProで』をスローガンに掲げ、マウンテンバイクやス
キーに取り付けられたカメラで撮影された、地表を⾼速移動する映
像、スカイダイビングのヘルメットから撮影された空中映像、ダイバ
ーが撮影した海中映像など、アウトドアを中⼼とした動画が数多くア
ップされています。
どれもこれも、これまでに⾒たことが無いような躍動感に溢れる映
像にスリルと興奮を覚えます。
中でも、2012年に公開された製品「GoPro HERO3」のPR動画は、
3200万回以上も再⽣された⼤ヒット動画となりました。
GoProユーザーにはいつの間にか、普通のカメラのようにただ映像
を撮るのではなく「海・⼭・空を駆け抜けるシーン」や「⾒たことが
ない視点からの⾵景」を撮影するスタイルが定着し、『⼈⽣にアドベ
ンチャーをもたらすカメラ』として圧倒的な⽀持を集めるようになり
ました。2014/7/30 いま初めて語られるGoProの動画マーケティング戦略。その成功の理由に迫る。(瀧良太) - 個人 - Yahoo!ニュース
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⽇本でも、⾷器洗い機にGoProを⼊れて洗浄中の様⼦を撮影した動
画や、フラフープの内側に取り付けて⽔着の美⼥を撮影する動画(下
に掲載)などが話題となり、GoProファンが間違いなく全世界に広が
っていることを象徴しています。
しかし、ほぼ全ての動画が魅⼒的な内容であるGoProには、コンテ
ンツ数が多ければ多いほど発⽣してしまう、クオリティの差(ムラ)
がありません。そこには良質なコンテンツのみを⽣み出すことが出来
る⼯夫がありました。
多くのユーザーに製品を利⽤してもらうために、使⽤⽤途を出来る
限り広く伝えたいと考えるのが⼀般的ですが、GoProは逆に“使い⽅を
限定(アウトドア中⼼)”したPV制作やブランディングを⾏ったこと
で、ユーザーにもその⽤途での活⽤が定着しました。その結果、⽣み
出されるほぼ全てのコンテンツが、⾒た⼈にスリルと興奮をもたらす
良質な動画になったのです。
魅⼒的な動画コンテンツの発信で、誰もが“メディア企業”に
なれる
GoProのマーケティング戦略は、そもそも映像を撮影できる“カメ
ラ”が製品であるからこそ描けるものだ。だから⾃分たちには縁がない2014/7/30 いま初めて語られるGoProの動画マーケティング戦略。その成功の理由に迫る。(瀧良太) - 個人 - Yahoo!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/takiryota/20140730-00037784/ 7/11
瀧良太
(株)LOCUS代表取締役/動画マーケティングコンサルタント
動画コンサルティング事業を⼿がける(株)LOCUS代表取締役。新卒⼊社1
年⽬に社内ベンチャーとして⾃ら発⾜させた動画関連事業を基盤に、独⽴後、
累計400社以上のクライアントの動画マーケティング⽀援に携わる。現在も継
続的にコンサルティングや制作ディレクションを⾏う傍ら、培った経験から、
動画マーケティングに特化したニュースメディア「movieTIMES」や「動画関
セミナー」など、映像系ベンチャーの先駆的存在として幅広い事業を⼿掛け
る。“映像をもっと⼿軽に、映像クリエイターをもっと⾝近に。”をテーマに、
映像という新しいコミュニケーション⼿段で、新たな価値の創造と発展を⽬指
す。