藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

自分は自分で律すること。

街中の居酒屋で飲むときは、「お客さんの企業名はイニシャルで」って、社会人になりたての研修で聞いたルール。
今でも全くその通りだが、それにしても「コンプライアンス」という言葉が流通しだしてからは大変になったと思う。

今の新社会人はNG集の勉強も大変のようで、備品の持ち帰りや経費の水増し禁止などについても「処分」と隣り合わせで教わるという。
こう言っては綺麗ごとかもしれないが、もう少し「ジェントルであること」という風なプライドの教育ができないものだろうか。

「詐欺や横領に当たるから」禁止なのではなく、その「心持ち」をこそ恥じるべき。

「罰を与えるぞ」という式のルールは自分は嫌いである。

内部通報制度だって「告げ口」ではなく「あらぬべき所業」を告発する精神でないと、保身のためのチクりみたいなことになるだろう。
魂、というか「精神の教育」がどうも抜けてるなぁ、と思った休日の朝なのでした。

経費・SNS・酒席…会社で注意したい法令違反
 社会人になってどんな仕事をするうえでも大切なのが「コンプライアンス」だ。「法令順守」と訳されることが多いが、単に法律に違反しなければよいわけではない。就業規則や職場のマナーなどルール全般に気を配ることが求められる。軽はずみな行動は自分が処分を受けるだけでなく、会社の信用低下も招きかねないということを頭に入れておこう。

新入社員研修でコンプライアンスについて学ぶことが多い

 コンプライアンスという言葉は社員研修などで度々耳にすることになる。とっつきにくい言葉だが、浅見隆行弁護士は「法律だけでなく倫理や社内外のルールを守って行動すること」と説明する。もともと欧米企業で始まった考え方で、日本でも相次ぐ企業不祥事を受け一気に浸透した。

 まずは勤め先のルールを確認したい。基本となるのが就業規則で、勤務時間や休日・休暇といった働き方や賃金などのほか、禁止事項もまとめられている。違反すると出勤停止や減給、降格、解雇など懲戒処分の対象になる。浅見弁護士は「会社のルールは学校の校則とレベルが違う。ちょっとした違反も処分につながる」と注意喚起する。

 とはいえ身構える必要はない。新入社員としては公私のけじめをつけることを心がけたい。例えばボールペンなど備品の持ち帰りや、出張費・経費の水増し精算は横領や詐欺に当たる。友人との飲食代に会社の接待交際費を充てるのも禁物だ。

 「この程度なら……」と小さな不正を繰り返すと後に大きな不祥事になりかねない。企業研修の講師を多く務めるマコル(東京・品川)の代表コンサルタント、笹本雄司郎氏は「一人で抱え込む→隠したり嘘をついたりする→書類やデータを偽装する、と不正は発展しかねない」と指摘する。

 現場の社員のいいかげんな報告が積み重なり、実態とかけ離れた会計・財務報告ができ上がったらどうなるか。財務情報は会社の体力を示す基礎資料で、株主や取引先など多くのステークホルダー(利害関係者)の目に触れる。そこに虚偽の記載があれば取引停止やブランドイメージの低下、さらには会社が損害賠償を請求されたり刑事責任を問われたりする可能性もある。最悪の場合、経営危機さえも招くと肝に銘じておきたい。

 会社から一歩外へ出たときも注意を払おう。ウイルス感染に気付かず自宅のパソコンで仕事をすれば、顧客リストや契約書、新商品情報などの営業秘密が漏洩する恐れもある。カフェなどで利用できる無料Wi―Fiも情報流出の恐れがあるので気を付けよう。

 浅見弁護士は「友人などとの居酒屋での談笑から、秘密が漏れることもあるので注意した方がよい」と話す。飲んだ席では大声になりがち。うっかりすると会話が周囲に筒抜けになる。

 個人で楽しんでいるフェイスブックツイッターなど交流サイト(SNS)の発言・投稿も要注意。顧客や会社の悪口などの書き込みがご法度なのはもちろん、匿名だからと反社会的な発言や悪ふざけした写真を投稿するとネット上で「炎上」する。氏名や勤務先を特定されてネットで拡散、勤め先に苦情が押し寄せたケースも実際にある。

 多くの会社は情報機器管理規則を定めており、SNSの利用範囲のガイドラインを作る会社も増えている。自社のルールを確認しておこう。

 同僚や上司は同じ目標に向かって共に走る仲間だ。会社の業績を向上させるには、皆が気持ちよく働ける職場環境が欠かせない。特に気をつけたいのがセクシュアルハラスメント(セクハラ)だ。勤務中だけでなく「職場の飲み会などで異性の容姿に関する発言をしてもセクハラと認定される」(浅見弁護士)。

 笹本氏は「コンプライアンスは人物評価に直結する。いったん社会人としての信用を失えば、その後の働く機会や条件も厳しくなる」と戒める。自分の仕事人生は自分で守るという意識を持つことが大切だ。

■傷口広げる「見て見ぬふり」 内部通報も一手

 社内の不正を見つけたら一人で抱え込まないことが大切だ。見て見ぬふりは大きな不祥事に発展する可能性がある。上司や先輩に相談できないようなら「内部通報制度」を利用する手がある。

 内部通報制度は企業が従業員などから法令違反や不正行為などの情報提供を受け付ける仕組み。制度に詳しい竹内朗弁護士は「経営トップに重大な社内のリスク情報を届け、トップの責任で是正や再発防止につなげる狙いがある」と説明する。

 日本では食品偽装などの相次ぐ発覚を受け、2004年に公益通報者保護法が制定されたのを機に、大企業を中心に制度の整備が広がった。

 「通報で不利益を被るのではないか」と不安に思うかもしれないが、同法では通報者の個人情報保護を定めているほか、通報を理由とした解雇や不利益な取り扱いを禁じている。最近は外部の通報窓口を設ける企業も増えているので、自社の制度を確認しておくとよいだろう。

青木茂晴)