藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

AIの大敵。

最近「食」について、年をとって今までにない深みを感じるようになったので、極力新しい店に行くようにしている。

次々に新しく生まれる店と料理人。
それでも「一食限り」で食べてしまえばなくなる料理というものの宿命。

その一食限りに全力をかけて臨む料理人と客。
そして鮮度や個体差のある食材。
その周囲にある店や接客する人。

当たり前に、路上の屋台でも繰り広げられる場面だが、真剣になれば怖いほどの一期一会だ。
毎日の気楽な居酒屋の夕べでも、実はこういうことが起こっている。
だからおいしくないなぁ、というものは食べたくないし、またお店にとっても「嫌な客」にもなってはならないと思う。

コンピューター化が相当これから進んでも「料理」の世界で"一流レベル以上"の料理ロボットは当面出てこないだろう。
クックパッドが発達し、レシピが今ほど公開されても「料理の要諦」というのは未だに神秘の中にある。

料理と味の世界が完全に解き明かされるときは、人は丸ごと作り変えることができているような気がする。

たかが食事。されど料理。