評論や小説よりもコラムとかエッセイが好きだ。
もう、力をふん縛って。
推敲に推敲を重ね、レトリックや比喩を駆使して。
そしてどこか「人の普段は触らない部分」に触れてくるような作品も、たまにはいいが普段聴くBGMにはなり得ない。
(クラシックの大作だってお茶飲みながら聴きながすには持て余す。コンサートの生演奏よろしく「聴くときは専心して聴く」のが芸術作品なのだろう。その点、ジャズはどっちもアリだよね)
この論稿では、アベ政権を徹底的に批判してやる、とかそういう作者の意図がゴリゴリしているものと違って。
コラムとかエッセイは作者の人間性が出ているものが多いから。
その人の"素"に接しているような気がしてどうにも嬉しい。
日経でも一番好きなのはプロムナードだ。
そういえばエッセイを出している作家は数多いけれど、どれもがその作家の「作品の出現背景」みたいなものを語っているような気がする。
開高健とか北杜夫とか。
城山三郎とか。
どんな作家でもメインの作品を読んだら、随筆も是非読んでみたいものだ。
あの作品を生んだ人の日常とか生い立ちとかって、こんな風なのか、というマニアックな楽しみに浸ることができる。
太宰治のエッセイなんてあるのだろうか。