藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

講演という知。

糸井重里さんによる吉本隆明の183フリーアーカイブが始まった。
壮観。
合計21746分。
362時間と26分だから毎日一時間ずつ聞いても一年以上…

まとめて、揉んで、並べて考えて…そしてネットに乗せる。

やっぱりネットのパワーは種になる知恵次第だ、と改めて思う。
吉本さんの本は若いころから何度も挑戦して、でも難解で挫折し、またパラパラとめくってはを繰り返している。
実は講演を聞いても難解なところはちっとも変わらないけれど、それでも耳から入ってくる優しさはとても感じる。
聞いていると吉本さんがあれほどの大量の全集やインタビュー記事を残しながらもなぜわざわざ講演する気になったのかが分かってくる気がする。
音声のいいところは何といっても目を使わずに済むから、歩きながらでも夜眠りに就きながらでも風呂でもトイレでもずーっと聞いていられるし、また聞くたびに心に留まる言葉やセンテンスが違ってくるのも面白い。

多分これだけの講演に当たっては氏自身、テーマを決めてそれぞれについて論点を整理して、という独自の編集・推敲作業があったはずで、そう考えるとこれは吉本隆明全集とはまた違う第二の作品なのじゃなかろうか。

子供という概念は実はそう昔はなかったんです。子供という概念を作り出したのは教育で、それは学校の誕生と共にできてきたんです…

冒頭から興味津々。
折角の音楽を聴く時間をしばらくはこのサイトで「ながら過ごし」しようと思っている。