藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

お金の前を考える

 

 *[次の世代に]本当に大事な話。

社会について教えること。
「父から息子への手紙」とか「父から娘への」と言ったタイトルの本はよく出版されて、名作が多い。
親子で純粋に相手を思いやっている文章が詰まっているわけで頷ける話だ。
動機に「企み」がないからだろうと思う。
それにしても働くこととか、学者として学ぶとか、結婚するとか、家を借りたり買ったりするとか、そしてお金のこととか老後のこととか。
どうして社会に出て最も大事なことを学生時代に教えておかないのだろうか。
この本は、特に「経済とお金」について実に卓越した構造觀を用い、また著者はギリシア人(元財務相)らしく「神話の喩え」なども豊富に盛り込んで実に分かりやすい。
自分も学生時代に出会っていれば、社会についての見方が変わっていたと思う。
それにしても「農業の発明」が今の経済の「核の核」になっているところは目から鱗だ。
ハラリ教授がサピエンス全史で言ってていたことが実によく分かった。
「お金ってなに」「利子ってなに」ということが分からずに社会に入ると、その後の人生で死ぬまで迷うことが多いのではないだろうか。
 
「まずお金ありき」を疑い、「だから何」を考えるためには貴重な一冊である。