藤野の散文-私の暗黙知-

毎日の中での気付きについて書いています

土地神話の翳り

*[次の世代に]流れは速い。
都心でも「オフィス不要説」を口にする人はずいぶん増えてきた。
戦後の経済復興の中で、日本では不動産の価値は絶対になくならない、と言われ続いてきたが、そんな不動産神話がゆらぎ始めている。
 
移動の必要が極端に低い社会になったら、広い自宅で環境を充実させることが人気になり、都市から50キロ圏くらいの広めのマンションに人気が集まり(戸建ても)、都心の60平米位のマンションたちはどんどん値下がりするのが近い将来なのかもしれない。
「都心であることの価値」が当たり前のように見直されることになるだろう。
価値観が逆転するというのは恐ろしいことだ。
 
思えば、戦後どんどん都心に主要な機関が集積し、一極集中の特徴が頂点を迎えた今に、一気に時代の変わり目が来たのだと思えば理解しやすい。
何事も流行の最中に、「少し異常では無いだろうか」と感じる感性が必要だと思う。

それにしても、熱に浮かされている最中に、冷めた目を持っていると言う事は難しいものだ。

この先、土地の価値は限りなく低くなり、建物の価値が優先される「逆転の時代」が来る可能性すらあるだろう。
 
維持費の高い、都心の巨大ビルは遺跡のようになるのだろうか。
くれぐれも固定観念に縛られないようにしたいと思う。